研究課題
当該年度は倫理審査委員会による厳密な審査を受けて「研究試験計画書」において取り上げた被験者の分類に一部修正を要請された(平成21年度様式A-2-1参照)。すなわち、乳がん治療薬tamoxifen(TAM)服用患者にてとり行う以前に、まずは健常人血小板サンプルを用いてTAM感受性を評価するよう求められた。これを受けて、日本人健常人101名からの検体収集を終え、遺伝子型タイピング等、各種実験項目を順調に進めている。一方、TAM服用患者の臨床検体収集は思うように進んでいない。この問題に対しては協力施設を拡大することで解決を図りたいと考えている。本年度はこの他、SULT1A1血小板由来蛋白質の定量や薬物血中濃度分析等の具体的な実験項目を実施した。(1) 日本人健常成人の血小板サンプルの収集:終了(日本人健常人101名)(2) CYP2D6, CYP3A4/5およびSULT1A1遺伝子型タイピング:終了(新規変異を除く)(3) SULT1A1血小板由来蛋白質の定量:Western BlottingによるSULT1A1検出と定量を行う。定量を継続中。(4) SULT1A1代謝活性測定:各種遺伝子型間のSULT1A1薬物代謝活性の評価にp-nitrophenolを用いた簡便なphenotyping方法を採用。測定継続中。当該年度の研究成果については、雑誌論文への掲載が1件、ならびに学会(国際を含む)発表が2件である。いずれも薬物代謝酵素(thiopurine S-methyltransferaseおよびinosine triphosphate pyrophosphohydrolase)の遺伝的多型が薬物代謝能や副作用発現に及ぼす影響に関する報告である。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
Inflammatory bowel diseases (印刷中)