味センサ及び摩擦感テスターを利用した経口ジェネリック薬の服用性評価システムの構築を目的として、平成22年度は、主に以下の2つの研究を行った。まず、ムコソルバン^<[○!R]>錠ドライシロップおよびその後発品を対象として、口腔内を想定した試験器を用いた苦味予測法の確立を目的とし、官能試験、溶出試験に加えて、新たな試験器の導入を試みた。これは、錠剤の底面を水表面に浸し、上から降りてくる重りの圧力による錠剤の崩壊時間を測定するシステムであり、まず、様々な重りの直径や重量を検討して適切な条件設定を行った。これにより、口腔内での崩壊時間が予測でき、官能試験による服用性と溶出試験による薬物溶出と比較することで、製剤の性質が総合的に評価できた。また、クレメジン^<[○!R]>細粒および後発品2種について、物理薬剤学的性質として、粒度分布、流動性および分散性について測定し、比較検討を行った。服用性については、SD法を用いて評価した。クレメジン^<[○!R]>細粒を嚥下補助製品と組み合わせた検討では、嚥下補助製品として、ゼリー状のオブラート(三和化学)、お薬飲めたね(龍角散)、トロメリン顆粒(三和化学)を用いた。それぞれの組み合わせにおける服用性、尿毒症物質への吸着除去率を検討した。クレメジン^<[○!R]>細粒および他の後発品における服用性の検討から、粒度分布の大きい製剤は官能試験後に嗽を数回した後でも口の中に残る傾向が認められ、口の中をリセットするために必要な嗽の回数を多く必要とすることが明らかとなった。ざらつき感については現在摩擦感テスターを用いて測定中である。以上のことから、粒度分布の大きい製品は嚥下する際、口の中に残りやすく、服用性が悪くなる可能性が示唆された。更にクレメジン^<[○!R]>細粒を嚥下補助製品と組み合わせた検討では、嚥下補助製品で服用した場合、水で服用した場合と比較して、クレメジン^<[○!R]>細粒の尿毒症物質の吸着除去率に影響を与えることなく、服用性は改善されることが示された。
|