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2009 年度 実績報告書

肋骨の胸部特異的な形成に必須の体節―表皮間相互作用における分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 20590171
研究機関広島大学

研究代表者

青山 裕彦  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70143948)

キーワード発生・分化 / 形態形成 / 体節 / 骨格 / ボディプラン / 脊椎動物
研究概要

本研究は,脊椎動物のボディプラン形成機構を考察するための格好の題材として,体節から中軸骨格が形成される機構,とくにその胸部を特徴づける肋骨の部域特異的形態形成機構を取り上げている.体節は,中軸組織(神経管,脊索),表皮,表皮+側板中胚葉にそれぞれ依存して発生する.例えば,表皮と体節との相互作用を遮断すると,肋骨は,椎骨の近くの部分のみ形成され,胸椎があたかも頸椎のような形態となる.本年度は,肋骨の相同部位が,実際に,頚椎や腰仙椎にあるのかを検討するため,頚椎や腰椎の肋骨突起の発生と,胸椎及び肋骨の発生を,その骨化点,関節形成,軟骨分化において比較した.
骨化点は椎体と椎弓に加え,胸部では肋骨に,頚椎では肋骨突起に見られた.胸部では関節形成に先立って細胞の凝集が見られたが,頚椎でも椎体と肋骨突起の間に同様の細胞凝集が一過性に見られた.頚部でも椎体と肋骨突起の間に関節が途中まで形成されると推測される.
骨化に先立つ軟骨形成をSox9の発現で検討した.肋骨突起や肋骨では,いずれも椎体や椎弓から離れた位置から軟骨分化が始まった.すなわち,肋骨突起も肋骨と同様,椎体や椎弓とは独立に軟骨分化していた.
以上の結果から,頚椎の肋骨突起が肋骨と相同であることが確認された.頚椎は肋骨の近位部のみが残っていると考えられるのである.
本研究の最終目的は,肋骨形成における表皮外胚葉-体節中胚葉間相互作用の実体を明らかにすることにある.今後,表皮外胚葉では分泌因子の候補となる因子を,体節側ではその受容体について,その時間的空間的発現パターンの変化を調べ,表皮と体節との間でどのような時空間配置における相互作用が存在するのか検討する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Body wall morphogenesis : limb-genesis interferes with body wall-genesis via its influence on the abaxial somite derivatives2009

    • 著者名/発表者名
      Liem, I.K., Aoyama, H.
    • 雑誌名

      Mech Dev. 126

      ページ: 198-211

    • 査読あり
  • [学会発表] 頚椎・腰仙椎における肋骨相同部位の同定―軟骨形成, 骨化点と肋椎関節形成の解析による2010

    • 著者名/発表者名
      増田佑, 坂本信之, 青山裕彦
    • 学会等名
      第115回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      盛岡市
    • 年月日
      2010-03-28
  • [学会発表] 筋の発生由来分節と脊髄神経支配2009

    • 著者名/発表者名
      松井浩二, 山口真未, 青山裕彦
    • 学会等名
      日仏生物学会第170回例会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-06-13

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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