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2009 年度 実績報告書

顎下腺の分化におけるアンドロゲンの作用機序の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20590187
研究機関金沢大学

研究代表者

井関 尚一  金沢大学, 医学系, 教授 (50167251)

キーワード顎下腺 / 顆粒性導管 / 分化 / アンドロゲン / 転写因子 / CRER / リン酸化
研究概要

マウス顎下腺の導管系は著しい性差をもち、各種増殖因子の産生で知られる顆粒性導管(GCT)は雄でのみ発達する。雌マウスや精巣切除マウスへのアンドロゲン投与により、線条部導管細胞がGCT細胞に分化する。顎下腺導管分化におけるアンドロゲン作用の分子メカニズムは明らかでない。Cyclic AMP response element-binding protein(CREB)は、さまざまなシグナル伝達系の下流でリン酸化により活性化して転写因子として働く。雌雄のマウス顎下腺導管系における転写因子CREBとリン酸化CREB(pCREB)の発現と局在、また雌および精巣切除雄へのアンドロゲン投与による顆粒性導管(GCT)の分化におけるその変化を、免疫組織化学とWesternプロット法により調べた。CREBおよびpCREBの免疫反応は雌で雄より有意に高く、介在部導管と線条部導管の一部の細胞の核に局在し、GCT細胞には存在しなかった。雄で精巣切除を行うと顎下腺のCREBが増加し、これにテストステロンやDHTを連続投与すると減少した。このとき、線条部導管から分化したGCT細胞においてCREBが消失した。これに対して、CREBのmRNA発現量は、雌雄間およびテストステロン投与の前後で変化がなかった。雌および精巣切除雄にテストステロンを1回投与すると、30分以内に線条部導管にpCREBおよびCREB免疫陽性の核をもつ細胞が増加し、24時間までにこれらの細胞がGCT細胞に分化すると免疫反応は消失した。この結果から、アンドロゲンによるマウス顎下腺導管系細胞の分化において、CREBの一過性の活性化と増加がまずおこり、続いてCREBの消失が見られることがわかった。このCREBの消失は転写レベルではなく転写後レベルの調節の可能性がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Expression of cAMP response element-binding protein in the duct cell system of the mouse submandibular gland2009

    • 著者名/発表者名
      Keattikunpairoj S, Wakayama T, Yamamoto M, Nakaya M, Nakata H, Hipkaeo W, Sakulsak N, Iseki S
    • 雑誌名

      Histochem Cell Biol 132

      ページ: 647-657

    • 査読あり
  • [学会発表] プロテアソーム活性低下マウス雄顎下腺の形態的研究2010

    • 著者名/発表者名
      山本美由紀, 乙田敏白, 篁俊成, 村田茂穂, 田中啓二, 金子周一, 井関尚一
    • 学会等名
      日本解剖学会第115回総会・全国学術集会
    • 発表場所
      岩手県民会館 (岩手県)
    • 年月日
      2010-03-28
  • [備考]

    • URL

      http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med01/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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