• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

ゆっくりした細胞形態変化の可視化法の開発とそれを用いた上皮形態形成の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20590197
研究機関北里大学

研究代表者

門谷 裕一  北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (10185887)

キーワード顎下腺 / 分枝形態形成 / 共焦点顕微鏡 / タイムラプス / 細胞骨格 / ブレビスタチン / 細胞運動
研究概要

分枝形態形成は上皮細胞集塊の基底部でのクレフト(cleft)形成に始まる集団としての細胞運動で、唾液腺、膵臓など多くの外分泌腺組織に共通の組織形成様式である。この過程でのそれぞれの細胞の移動や形態の変化を明らかにする目的で、細胞膜非透過性の蛍光トレーサーを添加した条件で胎生期マウス顎下腺を器官培養し、それを丸ごと共焦点レーザー顕微鏡で経時的に観察する手法(Extracellular polar-tracer time-laps imaging法)を開発し、実際に細胞動態をとらえることに成功している。本年度はこのシステムを駆使して唾液腺上皮組織の組織形成に関わる細胞骨格の役割を、アクチン線維の形成やその調節機構に注目して調査した。
アクチン線維の重合・脱重合の阻害剤(サイトカラシンD・Latrunculin A・Jasplakinolide)、ミオシンやその調節系の阻害剤(ブレビスタチン・カリキュリンA・Y27632)を培養唾液腺原基に投与したところ、これらはいずれも唾液腺上皮組織の形態形成を強力に阻害した。このうち、ミオシンに焦点を絞り、特異的阻害剤(ブレビスタチン)添加の際の細胞動態を解析したところ、ブレビスタチンが個々の上皮細胞の運動を阻害するものの、クレフト形成には直接関与せず、両者が異なった機構で調節されていることが示唆された。クレフト形成、細胞運動のそれぞれを司る分子とそれを調節するシグナル系の詳細の解明は、今後の課題として残された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Cellular dynamics of epithelial clefting during branching morphogenesis of the mouse submandibular gland.2010

    • 著者名/発表者名
      Kadoya Yuichi
    • 雑誌名

      Developmental Dynamics

      巻: 239 ページ: 1739-1747

    • 査読あり
  • [学会発表] Roles of shelf and its core actin filaments on the epithelial branching of embryonic salivary gland.2011

    • 著者名/発表者名
      門谷裕一
    • 学会等名
      第88回日本生理学会大会 第116回日本解剖学会総会・全国学術集会合同大会
    • 発表場所
      横浜(震災により紙上大会で実施)
    • 年月日
      20110328-20110330
  • [学会発表] Cellular dynamics during branching morphogenesis of the mouse submandibular gland.2011

    • 著者名/発表者名
      Kadoya Yuichi
    • 学会等名
      Gordon Research Conference Salivary Gland and Exocrine Biology.
    • 発表場所
      テキサス州ガルベストン(米国)
    • 年月日
      20110206-20110211
  • [学会発表] Time-lapse observation of the epithelial cleft elongation during branching morphogenesis of salivary gland.2010

    • 著者名/発表者名
      Kadoya Yuichi
    • 学会等名
      The 11th International Symposium on Exocrine Secretion.
    • 発表場所
      徳島大学蔵本キャンパス(徳島市)
    • 年月日
      20100723-20100725

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi