研究課題/領域番号 |
20590200
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
石橋 宰 日本医科大学, 医学部, 講師 (70293214)
|
研究分担者 |
瀧澤 俊広 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90271220)
|
キーワード | マイクロRNA / バイオイメージング / エクソソーム / 蛍光蛋白質 / Processing body / アデノウィルスベクター |
研究概要 |
平成23年度は、バイオイメージング技術を用いた成熟型miRNAの動態の分子解剖学的解析のため、ヒトCD63(エクソソームの分子マーカー)、ヒトArgonaute2およびヒトGW182[ともにProcessing body(P-body)の分子マーカー]を蛍光蛋白質(GFPやDsRed)との融合蛋白質の形で発現させるためのアデノウィルスベクターの構築を試みました。この中で、GW182に関しては、本遺伝子のコード領域の長さが5.1kbpと極めて大きく、ベクターへの組込み許容塩基数を超えていることが判明したため、他の2種類のベクター構築を優先的に行うことにしました。これらの構築に関しては、現在最終段階にあり、塩基配列決定および制限酵素解析等により正しく組込まれていることが確認でき次第、Cos7細胞やHeLa細胞等への感染と分子動態解析を行います。また、細胞放出されるエクソソーム中に含まれるmiRNAのクローニングによるプロファイリング解析も試みました。当初の研究計画では、MC/9細胞やHepG2細胞を用いる予定でしたが、これまでの我々の胎盤に関する研究において多くの使用実績があり、培養上製からのエクソソーム回収の手技が確立されているBeWo細胞(ヒト胎盤絨毛癌由来細胞)を用いることにしました。また、エクソソームの回収方法については、抗CD63抗体は用いず超遠心法にて行いました。エクソソームからRNAを調整し、我々が以前に報告した方法に基づき、低分子RNA画分を回収後cDNAを合成し、クローニングを行いました。回収されたRNAの量が少なかったこともあり、クローニング効率は予想より低いものでしたが、miRNA由来cDNAがクローニングされていることが確認されました。今後、細胞培養上清の量を増やし、より多くのエクソソームを回収することにより、クローニング効率の改善を目指します。
|