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2009 年度 実績報告書

体内時計の中枢である視交叉上核における光シグナル伝達経路の形態学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 20590202
研究機関近畿大学

研究代表者

長野 護  近畿大学, 医学部, 講師 (80155960)

研究分担者 重吉 康史  近畿大学, 医学部, 教授 (20275192)
藤岡 厚子  近畿大学, 医学部, 准教授 (30077664)
キーワード視交叉上核 / 光同調 / 体内時計 / VIP / Per1 / Per2
研究概要

哺乳類において、夜間の光照射により、視交叉上核の腹外側部にのみPer1,Per2遺伝子の発現誘導が生じる。それによって体内時計の分子フィードバックループの位相が変位すると考えられている。しかしながら、Per1,Per2遺伝子の発現と光同調との関係は明らかにされていない。そこで、光同調メカニズムにおけるPer1、Per2の役割について検討するため、T-cycleを用いて、前進、あるいは後退を必要とする明暗条件を作り、その際のPer1、Per2発現をin situ hybridizationで観察した。その結果、体内時計を前進させなければならない環境下では、明期の始めに視交叉上核の腹外側部にPer1の強い発現を観察し、一方、後退させなければならない条件下では、明期の終わりから暗期の始めに、腹外側部にPer2の強い発現が観察された。このことから、主にPer1が位相前進に、Per2が後退といった使い分けが生じていることが示唆された。
次に、体内時計の中枢である視交叉上核(SCN)において網膜からの投射がある腹外側部(VLSCN)から投射のない背内側部(DMSCN)へ作用する伝達物質を同定するために各領域の包括的遺伝子解析を行い、DMSCNに有意に高く発現している遺伝子を検索した。その結果、VIPの受容体であるVPAC2がDMSCNに強く発現していた。さらに、in situ hybridization法によってVPAC2 mRNA発現細胞はDMSCNに密に存在することを確認した。VLSCNにはVIPが強く発現していることから、これらの実験結果はVLSCNからDMSCNにVIPがVPAC2受容体を介して位相情報の伝達を行っていることを示唆している。今後、視交叉上核スライス培養を用いてVIPに対する領域ごとの応答を検索する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] rPer1 and rPer2 induction during phases of the circadian cycle critical for light resetting of the circadian clock.2009

    • 著者名/発表者名
      Mamoru Nagano, et al.
    • 雑誌名

      Brain Research 1289

      ページ: 37-48

    • 査読あり
  • [学会発表] Two distinct oscillators in the suprachiasmatic nucleus2009

    • 著者名/発表者名
      Yasufumi Shigeyoshi, et al.
    • 学会等名
      IX.Congress of the European Biological Rhythm for Chronobiology
    • 発表場所
      Strassbourg, France
    • 年月日
      2009-08-25

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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