先天的に大腸下部の神経節の欠如により発症するヒルシュスプルング病(HSCR)の主な原因遺伝子であるRetの発現レベルが腸管ニューロンにおいて低下すると従来のアポトーシスとは異なる細胞死に至るのが、この細胞死がBcl-xLの発現レベルを高めることで抑えることを見出した。さらにマウスにおいて細胞死を抑えることでHSCR疾患モデルマウスの発症をほぼ完全に防ぐことができることを証明した。本研究により、神経栄養因子GDNFシグナル不良による細胞死がHSCR病の主な発症の原因であり、新たな治療法開発のための標的として期待されることを示した。
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