研究課題/領域番号 |
20590211
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
挾間 章博 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60218394)
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研究分担者 |
勝田 新一郎 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (80285022)
三宅 将生 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00381385)
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キーワード | リソソーム / 塩素イオン / ネクローシス / 細胞死 / 細胞傷害 / amphotericin B / 細胞保護 / イオンチャネル |
研究概要 |
リソソーム安定化によるネクローシス性細胞死防御という研究課題の下に研究をスタートした。これまでの研究で、細胞外塩素イオン条件がネクローシス性細胞死を抑制するという機序は明らかになってきたが、細胞内における塩素イオンの役割については、明らかでなかった。作業仮説としては、細胞内のリソソーム破綻がネクローシス性細胞死を促進させ、細胞外低塩素イオン条件では。細胞内リソソームが安定化するために、細胞死が遅延するということである。リソソームの可視化を行うために、リソソームに取り込まれるペプスタチン、リソソームを蛍光ラベルするリソセンサー、リソトラッカーを用いてHeLa細胞のリソソームのラベルを試み、成功した。amphotericin-Bを用いて細胞膜の透過性を亢進させるとラベルされたリソソームの消失が観察され、細胞傷害によるリソソームの破綻が明らかになった。また、細胞外低塩素イオン条件にて同様の細胞傷害実験を行うと、リソソームのシグナルが保持されることが明らかとなり、上記の仮説が正しいことが示唆された。今後の研究としては、リソソームの破綻と細胞内塩素イオン濃度の関係を調べるために、細胞内塩素イオンを蛍光によりイメージングを行うシステムを開発し、細胞内塩素イオンの濃度変化とリソソームシグナルの同時測定を行うことにより、両者の関係を明らかにすることを目指したい。また、現在までの結果については、2009年国際生理学会にて発表予定である。
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