研究課題
平成22年度は、大動脈弓狭窄誘発性心不全モデルラット12匹およびシャム手術ラット8匹を作製し、術後2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月で心拍数、血圧(最大血圧、最小血圧)、自発的運動量を測定した。両手術ラットは、術後ケアーを施された後に、12時間の明暗サイクルの動物実験施設内ラット飼育室(温度23度)にて、水と餌を自由摂取で飼育された。血圧と心拍数を非観血血圧測定装置(BP-98A,ソフトロン)にて測定した。また、自発的運動量を測定するため、ラットを回転式運動量測定ケージに水と餌を自由摂取で10日間飼育し、毎日、回転数(走行距離)を測定した。術後2ヶ月と4ヶ月において、心不全モデルラットとシャム手術ラットの心拍数、血圧、自発的運動量は、ほぼ同じ値であり有意な差が認められなかった。しかし、術後6ヶ月での最大血圧は、シャム手術ラットに比較して心不全モデルラットでは、有意に低下していた。それにもかかわらず、心不全モデルラットの自発的運動量は減少傾向にあるものの、シャム手術ラットとの差は認められなかった。現在、両ラットは、術後9ヶ月目に達しているので、再度、心拍数、血圧(最大血圧、最小血圧)、自発的運動量を測定している。これらの測定を術後12ヶ月まで継続して行う予定である。さらに、トレッドミルを用いての強制運動による持久力も検討する予定である。本年度は、心不全モデルラットの自発的運動量およびトレッドミルでの強制的持久力が低下した段階で、AAV-SERCA2aを不全心に導入することで、これらの運動パフォーマンスの改善を試みる。
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Am J Physiol Heart & Circ Physiol
ページ: Doi:10.1152/ajpheart:01103.2010
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