研究課題/領域番号 |
20590218
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岡田 泰昌 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (80160688)
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研究分担者 |
越久 仁敬 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20252512)
横田 茂文 島根大学, 医学部, 助教 (50294369)
三分一 史和 千葉大学, 工学研究科, 助教 (30360647)
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キーワード | 呼吸調節 / 呼吸神経回路網 / 脊髄 / 頚髄 / 横隔神経核 / 呼吸リズム形成 / 呼吸パターン形成 / 膜電位イメージング |
研究概要 |
呼吸リズムおよび呼吸神経出力パターンは、主に下部脳幹部で形成されると考えられているが、頚髄呼吸神経回路網は呼吸神経活動の最終的な出力である横隔神経活動を形成する。研究代表者らは頚髄呼吸神経回路網が、脳幹部呼吸神経回路網とともに呼吸リズム・パターンの形成など呼吸調節において重要な役割を果たしていると考え、呼吸神経調節における頚髄呼吸神経回路網の機能と解剖の全容解明を目指した。平成21年度には平成20年度に引き続き、主に新生ラット摘出脳幹脊髄標本を用いた実験を行い、C1-C2レベルの高位頚髄の呼吸神経細胞群についてそれら細胞の形態と機能を詳細に解析し、新しい呼吸神経細胞群・high cervical spinal cord respiratory neuron group(HCRG)を発見し、論文として報告した(Okada et al.2009)。すなわち、膜電位イメージング法およびパッチクランプ法により、C1-C2レベルの高位頚髄の断面腹側部分に吸息性活動を有する新たな神経細胞集団を見出し、さらに運動神経細胞を染めるcholineacetyl transferase免疫染色により同部に運動神経細胞ととともに介在神経細胞が存在することを示し、これら介在神経細胞が呼吸調節神経ネットワークに組み込まれていることを示した。また、C3-C5の横隔神経核レベルの呼吸神経細胞群について、膜電位イメージング法および免疫組織染色法による解析を行い、横隔神経細胞群の機能と解剖を明らかにし、第32回日本神経科学大会で発表した。また、膜電位イメージング法を用いた呼吸神経回路網の解析法について、専門誌に詳細な総説論文を発表した(Ruangkittisakua et al.2009)。
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