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2010 年度 実績報告書

一分子観察によるG蛋白質活性化過程の定量的解析

研究課題

研究課題/領域番号 20590224
研究機関生理学研究所

研究代表者

立山 充博  生理学研究所, 分子生理研究系, 准教授 (30276472)

キーワード代謝型グルタミン酸受容体 / FRET / G蛋白質 / G蛋白質共役型受容体
研究概要

蛋白質はGα、GβおよびGγからなるヘテロ三量体であるがGβとGγは挙動をともにする。受容体刺激により(1)GαとGβγは解離することが知られており、(2)受容体とGα、あるいは、(3)受容体とGβγが会合すると考えられる。これらの挙動は、それぞれの蛋白質に蛍光蛋白を付加しそのFRET効率を測定することにより観察可能であると考え研究を行った。当初は、「代謝型グルタミン酸受容体のG蛋白質を活性化作用」を中心に据えて研究を進めたが、細胞膜レベルのFRETでさえも上記の組み合わせすべてでpositiveな結果を得ることが出来なかったため、平成22年度においては、ムスカリン受容体やプリン受容体なども用いて研究を進めた。その結果、リガンドによるFRET変化を示し、かつ、Gq蛋白質と機能的に会合するムスカリン受容体1型のFRETコンストラクトを見出した。受容体のFRETコンストラクトでは、一般的に、細胞内ループに蛍光蛋白質を導入する。蛍光蛋白質の大きさゆえに、受容体のG蛋白質会合作用は消失するというのが一般的な理解である。本研究により見出された機能的FRETコンストラクトを用いることで、Gq蛋白質共発現下のリガンド依存性FRET変化の亢進を新たに見出した。これは、リガンドにより活性化状態にあると考えられる受容体が、さらにG蛋白質と会合することで新たな活性化状態、あるいはより安定な活性化状態に推移することを意味するものと考えられる。生きた細胞を用いて、受容体の構造変化に関わる情報を経時的・可逆的に記録できたという点で重要な結果を持つものと考えられる。また、冒頭に述べた(2)受容体とGα、(3)受容体とGβγの会合についてもFRETにて観察することが可能となった。現在、これらのデータを解析し、論文として発表できるようまとめているところである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] G蛋白質共役型受容体の構造変化の全反射照明下FRET法による解析2010

    • 著者名/発表者名
      久保義弘、立山充博
    • 雑誌名

      医学の歩み 最新G蛋白質共役受容体研究

      巻: 233 ページ: 699-703

  • [学会発表] Ligand-induced structural rearrangements of G protein coupled receptors revealed by FRET analysis2011

    • 著者名/発表者名
      立山充博、松下真一、久保義弘
    • 学会等名
      第87回日本薬理学会大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)(大会は中止、紙面発表)
    • 年月日
      2011-03-22
  • [学会発表] FRET analysis revealed difference in the Gq coupling between m1 muscarinic receptor and metabotropic glutamate receptor12010

    • 著者名/発表者名
      立山充博、久保義弘
    • 学会等名
      第33回日本神経科学会大会
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(兵庫県)
    • 年月日
      2010-09-03
  • [学会発表] Inter-subunit interaction regulates the multiple signaling of metabotropic glutamate receptor 1a2010

    • 著者名/発表者名
      立山充博、久保義弘
    • 学会等名
      第87回日本生理学会大会
    • 発表場所
      盛岡市民文化ホール(岩手)
    • 年月日
      2010-05-11

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公開日: 2012-07-19  

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