研究課題/領域番号 |
20590238
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
折笠 千登世 日本医科大学, 医学部, 助教 (20270671)
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研究分担者 |
佐久間 康夫 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70094307)
濱田 知宏 日本医科大学, 医学部, 助教 (90312058)
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キーワード | 脳 / 性差形成 / ステロイド / エストロゲン / SDN-POA / BrdU |
研究概要 |
我々はこれまでの研究において、雄のSDN-POAに発現するソマトスタチン陽性細胞の神経核サイズが、生後2週間まで増加しその後減少していく傾向にあるのに、雌では一過的な増加を認めないという事実を明らかにした(Orikasaら 2007)。そして、陽性細胞が発現する神経核サイズの増加は細胞数の増加を反映するものと考え、生後のステロイド影響下で性差が引き起こされるため、雄では神経細胞新生が行われていると考えた。そこで、細胞新生時期を同定するため、分裂細胞に取り込まれることがわかっているBromodeoxyuridine (BrdU)を出生後から10日間連続投与したが、BrdU陽性細胞は認められず、生後にSDN-POAの細胞新生はないと推察した。今年度本研究では、胎生期におこる移動に着目するため、まずこれら性的二型核の神経核形成において、妊娠14日、16日、18日目の母ラットにBrdUを投与した。生後14日令の雌雄ラットのSDN-POAマーカーとしてcalbindinに対する抗体を用い性的二型核の特定を行い、BrdU陽性神経細胞との二重染色を試みた。BrdU陽性細胞は妊娠14日から脳室周囲にあらわれ妊娠16日にかけて脳底に移動しさらに、妊娠18日目でSDN-POAに多くのBrdU陽性細胞の局在が認められた。しかし、妊娠18日目にcalbindin陽性細胞すべてがBrdU陽性かどうかの検討を、共焦点レーザー顕微鏡を用いて行っており、性差はあるのか、生後のステロイドによるダイナミックな変化を引き起こしている要因をさぐるべく現在検討中である。
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