プロスタグランジンE_2(PGE_2)は多彩な生理活性を有し、難治性炎症性疾患や発癌などに密接に関わっている。このPGE_2の産生において重要な役割を果たすPGE合成酵素が転写調節因子Egr-1により転写制御を受けていることを研究代表者らはこれまでに見いだしている。 血管新生を評価する動物モデル(ラット皮下スポンジ移植やマウス皮下マトリゲル移植など)を用いて、血管新生の過程とCOX-2及びmPGESの発現の有無を検討した。更に、これらのモデルにmPGESに対するsiRNAを適応し、血管新生における影響を検討した。 その結果、肉芽内ヘモグロビン濃度やCD31等の血管内皮特異的マーカーとmPGESの発現に相関が認められる特定の条件が明らかとなった。また、mPGESの発現を組織特異的に観察したが、これでは、有効な条件は見いだされなかった。 今後は、癌性の血管新生に関しては、Sarcoma等の株化細胞の移植実験を行い、プロスタグランジン合成酵素群の役割の解明を継続していく予定である。
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