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2009 年度 実績報告書

免疫抑制薬の副作用発現に関与する遺伝子の同定と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20590268
研究機関神戸学院大学

研究代表者

春藤 久人  神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (70206259)

キーワードカルシニューリン / 特異的免疫抑制薬 / 分裂酵母 / アクチン細胞骨格
研究概要

カルシニューリンは酵母から哺乳動物にいたるまで広く保存された蛋白質脱リン酸化酵素であり、FK506およびシクロスポリンAなどの特異的免疫抑制薬はそれぞれの結合タンパク質との複合体によりカルシニューリン活性を抑制することで薬理作用を発揮する。我々は分裂酵母を用いて、カルシニューリンの機能解析を行い、細胞内輸送、細胞質分裂、細胞形態形成にカルシニューリンが関与することを報告してきた。これらの現象はいずれもアクチン細胞骨格のダイナミックな再構成が関与している。Wiskott-Aldrich Syndromeの原因遺伝子産物であるWASPはアクチン重合を促進し、細胞骨格系を制御している重要な因子である。分裂酵母WASPホモログであるWsp1のクローニング及び機能解析から、WASPがカルシニューリンと協同的に、アクチン細胞骨格機能の制御に関与することをすでに報告した。本年度はさらにWsp1の機能解析を行い、以下の成果を得た。
(1)収縮環の構成成分である、ミオシン軽鎖ホモログCdc4とミオシン重鎖ホモログMyo2のwsp1^+遺伝子破壊株での局在を観察した。その結果、収縮環の位置を正しくきめるために、Wsp1とカルシニューリンが協同的に働いていることが示唆された。
(2)wsp1^+遺伝子破壊株ではアクチンパッチの局在異常が観察された。この所見はカルシニューリン阻害薬であるFK506によりさらに増悪した。この結果から、アクチンパッチ局在の制御にWsp1とカルシニューリンが協同的に働いていることが示唆された。さらに、GFP融合Wsp1の細胞内局在を観察したところ、Wsp1とF型アクチンの共局在がみられた。
以上の結果より、Wsp1は、アクチン細胞骨格が関与する、細胞質分裂や細胞内輸送系において、カルシニューリンと協同的に機能していることが示唆された。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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