研究課題/領域番号 |
20590290
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
米倉 秀人 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80240373)
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研究分担者 |
八田 稔久 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20238025)
吉竹 佳の 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (00150764)
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キーワード | 遺伝子 / 血管内皮細胞 / 神経-血管相互作用 / ミクロRNA / 可溶型VEGF受容体 / レンチウイルスベクター |
研究概要 |
(1) 血管-神経相互作用の結果、初代培養ヒト微小血管内皮細胞(HMVEC)で発現上昇する遺伝子のうち、細胞内蛋白質(転写因子)であるJunBと細胞外蛋白質であるHARにつき、過剰発現用のレンチウイルスベクターを作製してHMVECに感染させ、遺伝子発現変化を解析した。その結果、血管分化や血管形成に関わることが報告されているsemaphorin、Neuropilin-1などの発現変化を確認した。 (2) 血管-神経相互作用での重要性が示唆されているVEGFの可溶型受容体(可溶型Flt-1)の発現制御機構につき、生体での主要な血管新生刺激である低酸素状態により血管内皮細胞での可溶型Flt-1の産生が顕著に抑制され、それがmRNA3'端プロセシングによる可溶型mRNA産生が減少することによることを明らかにした。 (3) 可溶型Flt-1の切断部位であるイントロン13を含むミニ遺伝子を用いて可溶型Flt-1mRNA産生を制御する配列を解析したところ、HMVECではイントロン13のU-rich regionが選択的3'端プロセシングの制御配列の1つとして機能していることが明らかとなった。 (4) 制御配列に結合するタンパク質をHMVECに過剰発現させると、可溶型Flt-1産生が減少することが示された。人工的な可溶型Flt-1産生制御の可能性が示された重要な成果であると考えられる。 (5) マウスVEGF cDNAおよび可溶型Flt-1のcDNAを持つレンチウイルスベクターを作製した。作製したレンチウイルスを14日齢マウス胎児の脳と皮膚に注入し遺伝子導入を解析したところ、両方組織ともにレンチウイルスによる遺伝子導入が起こっていることが確認された。上記のレンチウイルスベクターを含めて、遺伝子導入による血管形成への影響の解析を行う。
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