研究概要 |
1)内皮特異的Gi阻害マウスの解析 ROSA26遺伝子座よりCreリコンビナーゼ依存的にG蛋白シグナルを阻害する百日咳毒素トランスジンを発現するマウスを血管内皮特異的Tie-2Creマウスと掛け合わせた。胎生期致死の表現型を確認した。血液細胞に特異的なVav-iCreとの掛け合わせでは出血など血管系の障害を認めなかったので血管系の障害により胎生期致死が起こっていると考えている。 2)内皮細胞間葉化の培養系の整備 マウス内皮細胞株F2細胞を低血清濃度でTGFbeta刺激して培養すると4-5日目に間葉化の指標となる平滑筋型アクチンが陽性となることを認めた。TGFbetaに対する反応性、GPCRシグナルとの関係をより定量的に解析するためリポーターコンストラクトの使用を計画している。内皮細胞は一般にトランスフェクションが困難であるがF2細胞に対しては40-50%の一過性発現を得る方法を至適化できている。網羅的にGPCR,TGFbetaシグナルに伴う遺伝子発現変化を検討する刺激条件等をレポーターアッセイで決める実験を進めている。 3)SIP欠損ES細胞の作製 共同研究者からマウスを譲渡され施設内へ搬入した。施設規定による人工授精によるクリーニングの過程でダブルノックアウトがダブルヘテロとなったため導入後ダブルノックアウト-コンデイショナルーとなるように掛け合わせし直した。ES細胞作製に充分量の受精卵、ブラストシストを得るために掛け合わせを行っている。
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