研究概要 |
(腫瘍特異的融解性変異株の選別と窟析)nsP2にSINのアポトーシス誘導能があり、ウイルスレプリコンの複製能と細胞傷害性との間に相関のあることがGarmashova等によって最近明らかにされた(J. Virol. 80, 5686-5696, 2007)。この知見に基づき、増殖能が高いクローンを選別する戦略により変異株の選別を行った。(I)増殖能が高いクローンの選別(1)HeLa細胞、Vero細胞および神経芽細胞腫細胞株を用いて、短時間吸着により、10代以上継代し、増殖力の高いクローンを選別した。(II)正常細胞での低増殖性変異株の選別とレプリコンの評価(1)(I)で選別したクローンをヒト正常繊維芽細胞で増殖性の低い性質を併せ持つ変異株を選別中である。(2)選別したSIN変異株のnsP2およびE2に変異のあることを見出した。 (正常細胞に対するアポトーシス誘導能が低いレプリコン変異体の直接選択)(1)腫瘍特異的増殖能を有することが確認されている我々の研究室で分離したSINAR339株ゲノムcDNAのnsP1, nsp2, nsP3, nsP4領域のcDNAをT7プロモーター下流に組み込み、invitro合成したSINRNAレプリコンを調整する系を構築した。(2)本RNAレブコンのアポトーシス誘導能を評価する系を構築中であるが、CMVプロモーターにより発現させたRNAレプリコンは、HeLa細胞に対して、アポトーシスを誘導するが、Vero細胞に対しては毒性が極めて低いことも確認した。
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