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2008 年度 実績報告書

小胞体ストレス誘導性転写因子の病態への新たな関与機構

研究課題

研究課題/領域番号 20590310
研究機関熊本大学

研究代表者

後藤 知己  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (20264286)

キーワード小胞体ストレス / CHOP / XBP-1 / 小胞体ストレスセンサー / 炎症 / LPS / マクロファージ / BiP
研究概要

小胞体内での構造異常蛋白質蓄積により誘導される小胞体ストレス経路は、細胞内外からの様々なストレスにより誘導され、細胞保護に働く。しかし、それらのストレスが過剰な場合には、小胞体ストレス誘導性転写因子CHOPの誘導などのアポトーシス経路が誘導され障害細胞全体が除かれる。これまでに我々は、LPSを気管内投与して作成したマウスの肺の炎症をモデルとして、小胞体ストレス系の炎症病態への関与について解析を行ない、小胞体ストレス-転写因子CHOP経路がカスパーゼ11の誘導を介して、IL-1βの活性化、分泌に働く新たな経路の存在を明らかにした。これにより、小胞体ストレスーCHOP経路が、炎症反応の調節にも働くことが明らかとなった。しかし、これまで小胞体ストレス誘導性アポトーシスに関与する因子と考えられてきたCHOPが、炎症刺激によって誘導された場合にはアポトーシス誘導に働かず、サイトカイン経路活性化に働く分子機構は明らかではなかった。
本年度は、まず、重症実験膵炎モデルにおいても小胞体ストレス-CHOP経路が誘導され、病態増悪に働くことをCHOPノックアウトマウスを使用した実験で明らかにした。また、同じく小胞体ストレス-CHOP経路が誘導されるにもかかわらず、炎症刺激の場合にはアポトーシスが誘導されない分子機構について解析を行なった。LPSによる炎症刺激を受けたマクロファージでは、小胞体ストレスセンサーのうち、PERKの活性化がおこらず、そのために、下流のアポトーシス経路が誘導されないこが明らかとなった。ところが、小胞体機能保護に働く分子の多くの誘導に関与するIRE1経路は、LPSによってもアポトーシス誘導刺激と同様に、早期から活性化された。今後は、さらに刺激の違いにより活性化される小胞体ストレスセンサーに違いが生じる分子機構の解析を進めたい。
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  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] C/EBP Homologous Protein Is Crucial for the Acceleration of Experimental Pancreatitis2008

    • 著者名/発表者名
      Suyama, K, et al.
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun. 367

      ページ: 176-182

    • 査読あり
  • [雑誌論文] CHOP2008

    • 著者名/発表者名
      後藤知己
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素 53

      ページ: 1034-1034

  • [雑誌論文] 分子シャペロンと糖尿病2008

    • 著者名/発表者名
      後藤知己
    • 雑誌名

      分子細胞治療 7

      ページ: 324-328

  • [学会発表] 炎症病態における小胞体ストレス-CHOP経路の特異性2008

    • 著者名/発表者名
      後藤知己
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2008-12-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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