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2009 年度 実績報告書

腫瘍抑制遺伝子BHD産物が制御するシグナル伝達系の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20590316
研究機関順天堂大学

研究代表者

小林 敏之  順天堂大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40260070)

キーワード家族性腫瘍 / 動物モデル / 腎癌 / シグナル伝達 / BHD / 細胞周期 / mTOR / サイクリンD1
研究概要

これまでに報告していたHeLa細胞におけるBHD産物(FLCN)やFNIPLの発現抑制によるS6K1リン酸化抑制の分子機構の解明を進めた。mTOR複合体特異的な免疫沈降などを利用して分析したところ、FLCNの発現抑制によりラバマイシン感受性mTOR複合体(mTORC1)の形成が抑制される傾向にあることがわかった。ラパマイシン非感受性複合体(mTORC2)の形成には大きな変化が認められなかった。このことから、少なくともHeLa細胞においては、FLCNはmTORC1の複合体形成に影響を与えているものと推察される。野生型FLCNの一過性発現により、S6K1リン酸化は亢進するが、FLCNのリン酸化部位の変異はS6K1リン酸化の促進にとりわけ大きな影響を与えなかった。FLCNリン酸化はmTORC1の複合体形成とは異なる反応において機能に関わることが予想される。一方、HeLa細胞においてBHDをsiRNAによりノックダウンしたところ、サイクリンD1タンパクの発現が亢進することがわかった。その分子機構を調べる目的で、まずリアルタイムPCRによりサイクリンD1遺伝子(CCND1)のmRNAの発現量を調べた。その結果、ノックダウン細胞においてCCND1 mRNA量が増加していることがわかった。FLCNの発現抑制により、転写制御、あるいはmRNA安定性制御のレベルにおいてサイクリンD1の発現亢進に関わる破綻が生じていることが予想される。現在、サイクリンD1プロモーターを用いたレポーターアッセイにより、転写制御の変化を分析している。これらのサイクリンD1やmTORC1に関わるシグナル伝達機構の特定を進めることにより、腫瘍発生の分子機構解明が進むものと期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Serine 62 is a phosphorylation site in folliculin, the Birt-Hogg-Dube gene product2010

    • 著者名/発表者名
      Wang, L, ら
    • 雑誌名

      FEBS Lett 584

      ページ: 39-43

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phosphorylated hamartin-HSP70 complex regulates apoptosis via mitochondrial localization2010

    • 著者名/発表者名
      Inoue H, ら
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun 391

      ページ: 1148-1153

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regulation of folliculin(the BHD gene product)phosphoiylation by Tsc2-mTOR pathway2009

    • 著者名/発表者名
      Piao, X, ら
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun 389

      ページ: 16-21

    • 査読あり
  • [学会発表] Regulation of complex formation of FLCN-AMPK by FLCN phosphorylation2009

    • 著者名/発表者名
      朴香花, ら
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜市)
    • 年月日
      2009-12-11

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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