研究概要 |
キサンチン脱水素酵素は,通常の生理的条件下ではNAD^+を電子受容体とする脱水素酵素型(XDH型)として存在する.しかし哺乳類酵素ではCys535/Cys992, Cys1316/Cys1324のカップルがS-S結合を作る事で可逆的に酸素を電子受容体とする酸化酵素型(XO型)に変換し,活性酸素を生成する.20年度は変換機構上のスイッチ部分のアミノ酸Trp335,酸化還元電位を決定しているPhe336の2つのアミノ酸に変異をかけた常時酸化酵素型酵素(W335A/F336L)作成し,活性酸素超産生酵素である事を同定し,本変異酵素を置換したトランスジェニックマウス(XO-01)を作成した。当初作成したトランスジェニックマウスは,Neo(+)-(XO-01)であったため, Cre-recombinaseマウスとmatingさせ,更に野生型マウスとmatingさせCrericombinaseを除去し,Neo(-)マウスを得えた。現在Neo(-)XO-01(+/-)を得ている.来年度はホモを作成する. またS-S結合を作らないように変異をかけたC535A/C992R/C1324S変異酵素は,XDH型として発現し,精製過程を経てもXDH型のままとどまる.このトランスジェニックマウス(xdh-02(+/+)マウス)も対象実験用,および乳汁分泌機能検索用に今年度完成に向け実験を企画したが,ES細胞導入に困難を来たし,来年度に持ち越している,今年度は動物の準備に終始したが,今後はスーパーオキシド超産生トランスジェニックマウスを使って,寿命観察,発現酵素のスーパーオキシドの産生量の測定,各臓器由来の病理組織標本を作成し,蛍光抗体法等を駆使し発現部位を追跡する.
|