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2009 年度 実績報告書

-破骨細胞による骨分解機構の解明-骨リモデリングを制御する治療の開発に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 20590321
研究機関姫路獨協大学

研究代表者

通山 由美  姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (70362770)

キーワード破骨細胞 / ATP / 核酸受容体 / アセチル化 / 細胞骨格 / リソソーム / チロシンキナーゼ / Syk
研究概要

骨を分解する破骨細胞の活性化と制御の分子機構を明らかにするため、(1)骨分解を誘導する開始因子とその受容体の探索、(2)環状接着帯(シーリングゾーン)の形成に関わる細胞骨格再構築のメカニズムの解析、(3)骨分解酵素の放出に至る骨分解顆粒の細胞内輸送とこの輸送を支える微小管ダイナミクスの制御機構に焦点をあてて研究に取り組んできた。破骨細胞としては、ヒト末梢血由来の単球およびヒト白血病細胞株HL60を、分化誘導因子存在下に培養して用い、in vitroに骨溶解実験をおこなった。その結果、破骨細胞をATPで刺激すると、(1)既存のアクチン細胞骨格は一旦崩壊し、環状の接着帯であるシーリングゾーンが再構築され、(2)カテプシンKなどの骨分解酵素を含む酸性顆粒の輸送が加速して骨上かつ環状構造内部に放出される事、これら一連の反応は、(3)P2X_7受容体を介しており、かつ(4)αチューブリンの脱アセチル化阻害剤により可逆的に停止する事を見いだした。さらに、チロシンキナーゼSykの発現を抑制すると、骨溶解の阻害とともに、αチューブリンの脱アセチル化反応速度を減少させることも確認した。これらの結果より、ATPが受容体P2X_7を介して骨吸収開始因子として機能し、ATP/P2X7シグナルが、アクチン細胞骨格の再構成によるシーリングゾーンの形成と骨分解顆粒の輸送と放出を誘導、この一連の反応の上流において、Sykが、微小管のアセチル化/脱アセチル化の制御を介して骨の溶解に必須の役割を果たしている事が示唆された。これらの成果は、Genes to Cells(14 : 871-84. (2009))に発表した。今後は、これらの成果をさらに発展させ、接着帯の形成およびリソソームの輸送と放出に必須の標的分子を、Sykの下流分子に着目して探索する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ATP-induced osteoclast function ; the formation of sealing-zone like structure and the secretion of lytic granules via microtubule-deacetylation under the control of Syk2009

    • 著者名/発表者名
      Ryoichi Hazama
    • 雑誌名

      Genes to Cells 14

      ページ: 871-884

    • 査読あり
  • [学会発表] ATP/P2X_7シグナリングを介した破骨細胞による骨吸収機構の解析2009

    • 著者名/発表者名
      陌間亮一
    • 学会等名
      日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2009-10-22
  • [備考]

    • URL

      http://www.himeji-du.ac.jp/faculty/dp_pharm/pharm/pt2/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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