研究課題/領域番号 |
20590332
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
太田 亨 北海道医療大学, 個体差健康科学研究所, 准教授 (10223835)
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研究分担者 |
及川 恒之 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (80150241)
長田 和実 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (00382490)
山田 崇弘 北海道大学, 大学病院, 助教 (20419948)
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キーワード | ABCC11遺伝子 / 耳垢 |
研究概要 |
ABCC11遺伝子は耳垢型決定遺伝子であり、乾型は東アジア人に特異的である。ABCC11タンパクは薬剤感受性などに関与するタンパクとして知られており、東アジア人特有の薬剤量などを決定するのに重要な因子のひとつである。マウスは進化的にABCC11遺伝子を欠失しており、すなわち乾型ヒトと同様の表現型である。この欠失マウスにABCC11遺伝子をtransgeneとしてマウスゲノムに挿入し、その表現型やABCC11タンパクに関わる基質などを解析することを最終目的としていた。マウスモデルに取り掛かる前にさらなる統計的解析を行った。ABCC11遺伝子はG/A SNPによる乾型・湿型以外に27bpの欠失による乾型の多型が存在することが知られていた。そこで、さらに27bpの欠失頻度を解析したところ、日本人1520 allele中3 alleleに認めた。ウクライナ人サンプル794 alleleには認めなかった。27bpの欠失の由来はA-SNP alleleと示唆された。 次にtransgene DNAコンストラクトを作製した。BAC clone候補の中から、ゲノム構造を解析し、BAC clone 264A16は、ABCC11とABCC12の両方の遺伝子を含みさらに、遺伝子両端から数十kb異常のgenome DNAを含み、transgeneを作製した際にtoxicなタンパクを発現さすような遺伝子を含んでいないため、このBAC cloneを利用することを決定した。まずハイグロマイシン耐性遺伝子をBAC vector部位に組み込み、マウス129cv ES細胞に組み込んだ。数回のスクリーニングでハイグロマイシン耐性クローンを、数十個pick upしたが、長期培養ではABCC11陽性のクローンを検出できなかった。ハイグロマイシン耐性遺伝子の発現が不十分と思われ、現在コンストラクトを再構築中である。また、transientに挿入されたBAC DNAからも、ABCC11 mRNAは発現しておらず、マウスにおけるヒトABCC11遺伝子発現が可能か解析中である。
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