研究概要 |
XISTが存在する転座X染色体の15番染色体長腕(15q)への波及効果はほぼ確認できた.複製試験では,15qの複製遅延が確認され,15q上のとくにセントロメア近傍の遺伝子発現低下とテロメア側での発現の回復を示唆する,データがRT-PCRで得られた.併せて,臨床医学や基礎医学で研究が進んでいる15番染色体長腕領域15q11-13の遺伝子の詳細な分析にチャレンジした.RT-PCRではこの領域では半数のメチル化が想像されている.SNRPN及びUBE3Aのメチル化をBisulfite法で検出を試みた.一度での試みは,SNRPNのメチル化は正常パターンとなっており,今の段階では追試が必要である.また,今後染色体の親由来を確定しながらメチル化の評価が必要である.以上の結果を解釈するために,21年度は由来の決定をDNAたけいを用い網羅的に調べていく.また,XISTの15q上での作用範囲を決めるためにメチル化アレイを行う予定である.XISTの波及範囲を特定した上で,周辺のゲノム情報を考慮し,XISTのゲノムメチル化への寄与する因子を考察していきたい.
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