研究概要 |
昨年は派生X染色体の常染色体領域の機能を調べるために細胞生物学的な実験を行ってきた.PWS/AS領域の複数の遺伝子の高メチル化を証明した.それを基にして派生染色体の由来を決めることと,高メチル化の範囲を推定することを行った.派生染色体の由来決定には,X由来の決定をするHUMARA法に加え今年度は15番染色体のSNPS(1塩基多型)を染色体全長において検討した.結果としては15番染色体領域は両親由来であった.またX染色体の不活化が15番染色体のどのあたりまで及んでいるかメチル化アレイで検討し15q 14前後まで不活化が及んでおり,それよりテロメア側で不活化が弱まっている.前年までのメチル化解析では15q 13に座するSNRPNはほぼ100%メチル化されており,状況的証拠としては,正常15番染色体は母由来であり,派生染色体の15番は父由来であると考えることが妥当である.今後は派生染色体の発生機序について検討を進めていく.
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