研究概要 |
本研究では,手術切除標本を用いて,免疫組織化学的染色、DNAメチル化状態の解析、コピー数解析、SNP解析によって、残胃癌、胃上部癌,Epstein-Barirウイルス関連胃癌の網羅的解析を行う.3群間や他の胃癌との比較を通して、それぞれの特徴を抽出する。同様の検索を非癌部についても進め,背景粘膜め違いも明らかにする 1.症例収集と整理;本研究に合わせ、新たに残胃癌48例を整理し,ティシューアレイを構築,免疫組織化学的検索に供した.これまでにアイソユー考レイとして整埋した胃癌は984例となった.最近は早期癌は内視鏡的治療法(EMR/ESD)にて治療されるため,ティシューアレイに含めにくいが,残胃癌症例では,含めることができた。 2.免疫組織化学的染色:上記ティシューアレイを用いて,MSI phenotypeの指標となるhMLH1、ケラチン、粘液形質(MUC2,5AC,6,CD10)、p16、p53の発現検索を行ったほか,EBER1 in situ hybridization法にてEBウイルスの感染の有無を調べた.残胃癌では20例で感染があり,有意に高い感染率であった。 3.DNAメチル化解析:進行胃癌87例,早期胃癌46例の凍結検体からDNAを抽出し,MSP法にて,DNAメチル化状態を解析した.5つのマーカー遺伝子をMethylation specific PCR(MSP)法にて検索し、CIMP(CpG island methylator phentotype)-High群36例を抽出した.同じ症例の非腫瘍部粘膜のDNAも抽出しており,これらのメチル化状態は検索を続けている.また,免疫組織化学的検索の結果との比較を進めている。
|