研究概要 |
ウサギMMP-9遺伝子導入ファウンダーウサギ(メス1匹、オス1匹)と日本白色種ウサギを交配し、これまでに8羽のF1世代のウサギを得た。実験に用いるには導入遺伝子が確実に子孫に引き継がれる事を確認し、多数の動物を得る必要があるため、F1世代のウサギによる繁殖を行った。その結果、導入遺伝子を引き継いたF2世代ウサギを得た。 693個の受精卵にヒトMMP-1遺伝子導入コンストラクトをマイクロインジェクションし、そのうち567個を20匹のレシピエントウサギに胚移植した。その結果、5匹が妊娠して20匹の新生仔が生れ、2匹のヒトMMP-1遺伝子導入ファウンダーメスウサギを得た。 ヒトMMP-12遺伝子導入WHHL MIヘテロ(ヒトMMP-12:+/0,LDLレセプター:+/-)メスウサギとWHHL MI(ヒトMMP-12:0/0,LDLレセプター:-/-)オスウサギの交配を行った。46回の人工授精を行った結果、妊娠したのは7回(妊娠率15.2%)で得られた生存産仔は29匹と非効率であった。そこで自然交配に切り替え、21回の交配を行ったところ15回(妊娠率71.4%)妊娠し128匹の生存産仔を得て、このうち59匹が離乳に至った。これらのウサギの組織を採取し、ジェノタイピングを行ったところ、目的の遺伝子型をしたオスウサギ(ヒトMMP-12:+/0,LDLレセプター:-/-)を9匹、その実験対象群となるオスウサギ(ヒトMMP-12:0/0,LDLレセプター:-/-)を6匹得た。 またMMP-12遺伝子導入WHHL MIホモ(ヒトMWP-12:+/0,LDLレセプター:-/-)メスウサギを3匹得ているので、これらをWHHL MI(LDLレセプター:-/-)と交配することにより、ヘテロ個体産出がされることがなく、効率的に目的遺伝子型をしたウサギを得ることが出来るようになった。
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