癌遺伝子の異常によるシグナル伝達系の特異的活性化の解析と多分子標的療法への展開

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20590351
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 人体病理学
• 研究機関: 自治医科大学
• 研究代表者: 土橋 洋 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90231456)
• 研究分担者: 遠藤 俊輔 自治医科大学, 医学部, 教授 (10245037) ; 柳川 天志 群馬大学, 医学部, 助教 (50294971) ; 北川 雅敏 浜松大学, 医学部, 教授 (50294971)
• 連携研究者: 松原 寛知 山梨大学, 医学部・附属病院, 助手 (00374166) ; 佐藤 栄一 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (80293455) ; 大井 章史 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (50160411)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 呼吸器 / 縦隔

研究概要

上皮増殖因子受容体(EGFR)と刺激伝達経路の因子の異常を解析した。肺癌ではEGFRの活性化は37%に認められ、その増殖刺激の細胞内への伝達は11%に見られた。EGFR遺伝子の質的変化は24%で見られ、これも増殖刺激の伝達や転移と関連していた。その下流因子の一種、Aktの遺伝子増加は45%の症例で認め、これはEGFRとは排他的に増殖に関与していた。肉腫では、増殖のみならず神経,横紋筋等の腫瘍の形態形成への関与も示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] Paradigm of kinase-driven pathway downstream of EGFR/Akt in human lung carcinomas. (2011)
  • 著者名/発表者名: Dobashi, Y., Suzuki, S., Kimura, M., Matsubara, H., Tsubochi, H., Imoto, I., Ooi, A.
  • 雑誌名: Hum. Pathol. 42(2) ページ: 214-26
  • 査読あり
• [雑誌論文] Kinase-driven pathways downstream of EGFR in human lung carcinomas : perspectives on molecular targeting therapy. (2010)
  • 著者名/発表者名: Dobashi, Y., Koyama, S., Kanai, Y., Tetsuka, K.
  • 雑誌名: Front Biosci. Landmark 16 ページ: 1714-1732
  • 査読あり
• [雑誌論文] Gene Amplification of ERBB2 and EGFR in adenocarcinoma in situ and intramucosal adenocarcinoma of Barrett's esophagus. (2010)
  • 著者名/発表者名: Ooi, A., Zen, Y., Ninomiya, I., Tajiri, Y., Suzuki1, S., Kobayashi, H., Imoto, I., Dobashi, Y.
  • 雑誌名: Pathol Int. 60(6) ページ: 466-471
  • 査読あり
• [雑誌論文] Clinicopathological significance of platelet-derived growth factor (PDGF)-B and vascular endothelial growth factor-A expression, PDGF receptor-β phosphorylation, and microvessel density in gastric cancer. (2010)
  • 著者名/発表者名: Suzuki, S., Dobashi, Y., Hatakeyama, Y., Tajiri, R., Fujimura, T., Heldin, C.H., Ooi, A.
  • 雑誌名: BMC Cancer 10 ページ: 659
  • 査読あり
• [雑誌論文] Critical and diverse involvement of the Akt/mTOR signaling in human lung carcinomas. (2009)
  • 著者名/発表者名: Dobashi, Y., Suzuki, S., Matsubara, H., Kimura, M., Endo, S., Ooi, A.
  • 雑誌名: Cancer 115(1) ページ: 107-118
  • 査読あり
• [雑誌論文] Gene amplification of Myc and its coamplification with ERBB2 and EGFR in gallbladder adenocarcinomas. (2009)
  • 著者名/発表者名: Ooi, A., Suzuki, S., Nakazawa, K., Itakura, J., Imoto, I., Nakamura, H., Dobashi, Y.
  • 雑誌名: Anticancer Res. 29(1) ページ: 19-26
  • 査読あり
• [雑誌論文] High expression of Pirh2, an E3 ligase for p27, is associated with low expression of p27 and poor prognosis in head and neck cancers. (2009)
  • 著者名/発表者名: Shimada, M., Kitagawa, K., Dobashi, Y., Isobe, T., Hattori, T., Uchida, C., Abe, K., Kotake, Y., Oda, T., Suzuki., Hashimoto, K., Kitagawa, M.
  • 雑誌名: Cancer Science 100(5) ページ: 866-872
  • 査読あり
• [雑誌論文] EGFR-dependent and independent activation of Akt/mTOR cascade in bone and soft tissue tumors. (2009)
  • 著者名/発表者名: Dobashi, Y., Suzuki, S., Sato, E., Hamada, Y., Yanagawa, T., Ooi, A.
  • 雑誌名: Mod.Pathol. 22(10) ページ: 1328-1340
  • 査読あり
• [雑誌論文] Polyamine-rich food decreases age-associated pathology and mortality in aged mice. (2009)
  • 著者名/発表者名: Soda, K., Dobashi, Y., Kano, Y., Tsujinaka, S., Konishi, F.
  • 雑誌名: Exp.Gerontol. 44(11) ページ: 727-732
  • 査読あり
• [雑誌論文] Prognostic significance of 18F-FDG uptake in primary osteosarcoma after but not before chemotherapy : a possible association with autocrine motility factor/phosphoglucose isomerase expression. (2008)
  • 著者名/発表者名: Sato, J., Yanagawa, T., Dobashi, Y., Yamaji, T., Takagishi, K., Watanabe, H.
  • 雑誌名: Clin.Exp.Metasta. 25(4) ページ: 427-435
  • 査読あり
• [学会発表] 唾液腺癌におけるEGFR,HER2遺伝子増幅および蛋白過剰発現 (2011)
  • 著者名/発表者名: 鈴木潮人、湊宏、土橋洋、田尻亮輔、大井章史
  • 学会等名: 第100回日本病理学会総会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2011-04-30
• [学会発表] FISHを用いた大腸癌におけるEGFR遺伝子の増幅の検討 (2011)
  • 著者名/発表者名: 大井章史、鈴木潮人、田尻亮輔、土橋洋、源利成
  • 学会等名: 第100回日本病理学会総会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2011-04-29
• [学会発表] 肺癌におけるエフェクター分子Aktの活性化と遺伝子変化 (2011)
  • 著者名/発表者名: 土橋洋、鈴木潮人、椙村春彦、山田茂樹、大井章史
  • 学会等名: 第100回日本病理学会総会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2011-04-28
• [学会発表] Paradigm of kinase-driven pathway downstream of EGFR/Akt in human lung carcinomas. (2010)
  • 著者名/発表者名: 土橋洋、鈴木潮人、大井章史
  • 学会等名: 第69回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2010-09-22
• [学会発表] 肺癌におけるEGFR/Akt/mTOR/S6 kinase経路の機能的関与の多様性 (2010)
  • 著者名/発表者名: 土橋洋、鈴木潮人、山田茂樹、大井章史
  • 学会等名: 第99回日本病理学会総会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2010-04-27
• [学会発表] バレット腺癌におけるERBB2及びEGFRの過剰発現と遺伝子増幅-FISHを用いた検討 (2010)
  • 著者名/発表者名: 大井章史、土橋洋、鈴木潮人、田尻亮輔、全陽
  • 学会等名: 第99回日本病理学会総会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2010-04-27
• [学会発表] 胃癌の新生血管に関する臨床病理学的検討 (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木潮人、土橋洋、畠山弥生、田尻亮輔、大井章史
  • 学会等名: 第99回日本病理学会総会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2010-04-27
• [学会発表] 肺癌におけるEGFRの異常とその下流因子の関与 (2009)
  • 著者名/発表者名: 土橋洋、鈴木潮人、大井章史
  • 学会等名: 第68回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2009-10-02
• [学会発表] Pirh2はp27のユビキリンリガーゼとして人の癌の悪性度に関与する (2009)
  • 著者名/発表者名: 北川雅敏、島田真衣、土橋洋、服部隆行、神武洋二郎、橋本賢二、北川恭子
  • 学会等名: 第68回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2009-10-02
• [学会発表] 間葉系腫瘍におけるEGFRカスケードの関与 (2009)
  • 著者名/発表者名: 土橋洋、鈴木潮人、山田茂樹、大井章史
  • 学会等名: 第98回日本病理学会総会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2009-05-03
• [学会発表] 肺癌患者血性中の腫瘍特異的自己抗体としての抗AMF抗体の有用性 (2009)
  • 著者名/発表者名: 小林信、影山泰平、松本俊英、長塩亮、土橋洋、佐藤雄一、岡安勲
  • 学会等名: 第98回日本病理学会総会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2009-05-02
• [学会発表] 乳癌におけるMYC遺伝子の増幅の検討 (2009)
  • 著者名/発表者名: 大井章史、幾川恵吏、鈴木潮人、土橋洋、全陽
  • 学会等名: 第98回日本病理学会総会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2009-05-01
• [学会発表] 胃癌におけるVEGF, PDGFシグナル経路の病理学的検討 (2009)
  • 著者名/発表者名: 鈴木潮人、土橋洋、畠山弥生、田尻亮輔、大井章史
  • 学会等名: 第98回日本病理学会総会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2009-05-01
• [学会発表] 胆嚢癌におけるMyc遺伝子増幅、特にERBB2及びEGFR遺伝子との同時増幅について (2008)
  • 著者名/発表者名: 大井章史、鈴木潮人、井本逸勢、土橋洋
  • 学会等名: 第67回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2008-10-03
• [学会発表] 活性変異型PDGFR-β(D849N)の血管新生増強効果 (2008)
  • 著者名/発表者名: 鈴木潮人、土橋洋
  • 学会等名: 第67回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2008-10-02
• [学会発表] PDGFR-βの活性化型変異D849NはB16メラノーマの増殖を促進する (2008)
  • 著者名/発表者名: 鈴木潮人、土橋洋、大井章史
  • 学会等名: 第97回日本病理学会総会
  • 発表場所: 金沢
  • 年月日: 2008-05-16
• [学会発表] ヒト肺癌におけるEGFRの遺伝子異常、下流因子の活性化の意義とその分子病理学的意義 (2008)
  • 著者名/発表者名: 土橋洋、鈴木潮人、大井章史
  • 学会等名: 第97回日本病理学会総会
  • 発表場所: 金沢
  • 年月日: 2008-05-15
• [図書] 細胞傷害と細胞増殖、シンプル病理学第6版(笹野公伸、岡田保典、安井弥編)東京 (2010)
  • 著者名/発表者名: 土橋洋
  • 総ページ数: 5-14
  • 出版者: 南江堂
• [図書] Molecular targeting therapy in Bone and Soft Tissue Tumors : Perspectives on this new mode of therapy. In Soft Tissue cancers.N.Y. U.S.A. (2008)
  • 著者名/発表者名: Dobashi, Y., Kimura, M., Sato, E., Hamada, Y., Ooi, A.
  • 総ページ数: 1-36
  • 出版者: Nova Science Publisher LtD
• [図書] リン酸化研究の歴史と病理からのアプローチ.病理と臨床.26(8) (2008)
  • 著者名/発表者名: 木村麻衣子、土橋洋
  • 総ページ数: 864-866
• [備考] ホームページ等