研究概要 |
慢性炎症-発癌系のモデルとして潰瘍性大腸炎(UC)-大腸癌を選び、大腸粘膜上皮・間質細胞間相互作用及びその不全状態を解析するために、 1.UC患者(3名)及び健常者(3名)の直腸生検材料からmRNA及び蛋白質を抽出し、cDNA microarray及びプロテオーム解析の準備を行った。 1)cDNA microarray解析では、UC, active / UC, remission /Normal間で遺伝子発現が有意に違いのあるものが多数得られ、これらから選択してその解析を行っている。 2)プロテオーム解析では、生検材料から得られる少量の蛋白質での検索条件を二次元電気泳動法で検証し、その条件を決定した。生検材料を使用しての解析を始めている。 2.UCにおける炎症に伴う大腸粘膜の組織、細胞及び分子レベルでのリモデリングを間質細胞の面から解析し、pericryptal myofibroblasts及びcrypt間のstromal cellsのheterogenous haplotypesに着目して検索を行った。その結果、UCの炎症期間に相関して、これら粘膜間質細胞のheterogeneityに有意な差が生じることが判明した(投稿中)。さらにこれらのheterogeneous stromal cellsがどのような蛋白質を産生して上皮細胞との相互作用を行っているか、1.の検索をとおして検証していく予定である。
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