研究課題/領域番号 |
20590358
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
元井 紀子 (財)癌研究会, 癌研究所病理部, 研究員 (70292878)
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連携研究者 |
石川 雄一 財団法人癌研究会, 癌研究所病理部, 部長 (80222975)
松浦 正明 財団法人癌研究会, がんゲノム研究部, 部長 (40173794)
中川 健 財団法人癌研究会, 癌研究所, 研究員 (60085595)
西尾 誠人 財団法人癌研究会, 癌研究所, 研究員 (00281593)
下地 尚 財団法人癌研究会, ゲノムセンター, 研究員 (40370150)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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キーワード | 肺癌 / 神経内分泌癌 / 小細胞癌 / 大細胞神経内分泌癌 / 網羅的発現解析 / 分子病理診断 / 遺伝子発現解析 / 免疫染色 |
研究概要 |
目的:肺神経内分泌腫瘍の正確な診断と治療のために、神経内分泌分化を示す肺癌の遺伝子、蛋白発現プロファイルを解析し、病理学的疾患単位の再検討、診断、治療指標に有用な指標の解明を行う。 方法:肺癌のなかで神経内分泌分化を示す癌の遺伝子発現およびタンパク発現、メチル化状態に関して網羅的手法を用いて解析し、組織像、臨床病理学的特徴、予後との関係を解析した。 結果:神経内分泌腫瘍は、従来、臨床病理学的、形態学的に高悪性度と低悪性度の大きく2分類されているが、遺伝子発現解析でも同様に大きく2群に分類できた。発現遺伝子のなかから、ASCL1などの神経内分泌分化に特徴的な遺伝子群が抽出でき、リアルタイムPCR, 免疫染色でその発現を確認した。非神経内分泌癌のなかで神経内分泌マーカーが発現している群は、神経内分泌腫瘍とは異なるプロファイルを示した。神経内分泌マーカーの発現のある群はない群と比較すると、組織学的に低分化で増殖能が高い傾向があった。ASCL1のメチル化状態は有意な差がなかった。 今後の課題:神経内分泌分化の程度を反映する有効な指標の閾値や組合せについて、臨床的意義のある基準を定める必要がある。基準の妥当性については、今後さらに検討する必要がある。神経内分泌分化調整機構については、さらに研究が必要と考えられる。
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