セントロメアタンパク質は細胞の老化を制御する新たな因子となりうるか?

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20590387
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 実験病理学
• 研究機関: 独立行政法人国立成育医療研究センター
• 研究代表者: 前原 佳代子 独立行政法人国立成育医療研究センター, 周産期病態研究部, 室長 (80421311)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 細胞老化 / 染色体 / セントロメア / CENP-A / CENP-B / ヘテロクロマチン

研究概要

セントロメアのタンパク質は、細胞が増殖するときに、染色体を均等分配するという重要な役割を担っている。分裂寿命を持つヒト正常細胞を用いて、キネトコア構造の形成と機能に必須のセントロメアのタンパク質であるCENP-Aの低下がp53依存性に老化を導くこと、老化した細胞では、CENP-Aの低下とそれに伴うセントロメアのヘテロクロマチン構造の促進(セントロメアの不活性化)が生じることを明らかにした。本研究の成果は、染色体の機能ドメインであるキネトコアが、テロメア同様に老化を制御する要因となりうることを示している。

研究成果

• [雑誌論文] Cellular senescence as a self-defense mechanism against centromere dysfunction. (2011)
  • 著者名/発表者名: Maehara K.
  • 雑誌名: Biomedical Gerontology Vol.35 ページ: 17-23
  • 査読あり
• [雑誌論文] CENP-A reduction induces a p53-dependent cellular senescence response to protect cells from executing defective mitoses. (2010)
  • 著者名/発表者名: Maehara K., Takahashi K., Saitoh S.
  • 雑誌名: Mol.Cell.Biol. Vol.30 ページ: 2090-2104
  • 査読あり
• [学会発表] CENP-Aノックダウンによる細胞老化とp53の役割 (2010)
  • 著者名/発表者名: 前原佳代子
  • 学会等名: 第27回染色体ワークショップ
  • 発表場所: 御殿場市
  • 年月日: 20100120-20100122
• [学会発表] 動原体機能不全はヒト正常細胞では細胞老化を誘導する (2010)
  • 著者名/発表者名: 前原佳代子
  • 学会等名: 第33回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸市
  • 年月日: 2010-12-08
• [学会発表] CENP-Aの低下は、p53依存性の細胞老化を誘導し、染色体分配異常を抑制する (2010)
  • 著者名/発表者名: 前原佳代子
  • 学会等名: 第33回日本基礎老化学会
  • 発表場所: 名古屋市
  • 年月日: 2010-06-17
• [学会発表] 染色体安定分配に必須な動原体タンパク質CENP-Aと細胞老化機構の機能的関連 (2009)
  • 著者名/発表者名: 前原佳代子
  • 学会等名: 第32回日本基礎老化学会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 20090619-20090620
• [学会発表] CENP-Aの低下と細胞老化 (2009)
  • 著者名/発表者名: 前原佳代子
  • 学会等名: 第26回染色体ワークショップ
  • 発表場所: 姫路市
  • 年月日: 20090126-20090128
• [学会発表] キネトコア機能異常と細胞老化 (2008)
  • 著者名/発表者名: 前原佳代子
  • 学会等名: 第31回日本基礎老化学会
  • 発表場所: 松本市
  • 年月日: 20080612-20080613
• [備考] ホームページ等
  • URL: http://ntec.heteml.jp/nch/index.html
• [備考] 所外セミナー等