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2009 年度 実績報告書

ウエルナーヘリカーゼのもつ抗老化・抗がん化作用の解析;テロメア安定化の観点から

研究課題

研究課題/領域番号 20590389
研究機関地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都

研究代表者

石川 直  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都, 研究員 (30184485)

キーワード老化 / がん化 / ウェルナー症候群 / テロメア / FISH / 染色体組換え
研究概要

これまで、ヘリカーゼ研究会会員諸氏の協力により、ウエルナー患者皮膚組織を収集しSouthern blot法により解析してきた。初年度(H20年度)はより客観的・再現性のあるソフトウェアーTelometricを用いた解析をした結果、患者組織のテロメア長と年齢の相関が、年齢を校正した健常者皮膚の年齢相関と比較し、In vivoでのケラチノサイトのテロメアがより急速に短縮すること(約4倍に亢進している事)が示唆された。平成21年度には、Telometricを用いて、最短のテロメア長について更なる検討を加えた。その結果、WS患者皮膚組織において、正常人(下垂体および皮膚組織)と比ペテロメア最短長が短縮していることが判明した。
一方、これ迄収集してきたウエルナー症候群患者由来繊維芽細胞株を継代培養し、metaphase標本を作製し、FISH法により、分子レベルでのテロメア長解析、サブテロメアプローブを用いた染色体組換え解析を行った結果、1)WS線維芽細胞株の最大継代数は、コントロール株に比し明らかな低下していた。2)WS線維芽細胞株のテロメア長パターンは継代の早期に細胞老化期パターンとなり、また最大継代数の著明に低い株の細胞老化期に異常短縮テロメアの蓄積していた。3)サブテロメア領域においては約二分の一の染色体でくみかえを認め、染色体組換えが異常に亢進していた(正常人由来繊維芽細胞では、組換えは殆ど検出されない)。以上から、ウェルナーヘリカーゼ異常によるテロメア維持機構の破綻が本症発症の基盤の一つとなっていることが強く示唆された。
平成21年度に解析された最短長の特異的短縮はこれ迄に解析されてこなかった現象であり、in vivoとin vitro現象をつなぐ所見となりうる。(論文作成中)
解析検体を増やし、テロメア長の分布、最短テロメア長等の個人差、テロメア長の特異性と染色体組換えとの相関、組換え染色体の特異性を検討中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Telomere lengths in the oral epithelia with and without carcinoma2010

    • 著者名/発表者名
      Aida Junko, 他10名(5番目)
    • 雑誌名

      Europian Journal of Cancer 46

      ページ: 430-438

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Q-FISH analysis of telomere and chromosome instability in theoesophagus with and without squamous cell carcinoma in situ2010

    • 著者名/発表者名
      Takubo Kaiyo, 他11名(5番目)
    • 雑誌名

      Journal of Pathology 221

      ページ: 201-209

    • 査読あり
  • [学会発表] ウェルナー遺伝子欠損は in vivo および in vitro でテロメア長を短縮させる2009

    • 著者名/発表者名
      石川直、仲村賢一、, 他5名
    • 学会等名
      第98回日本病理学会総会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2009-05-02

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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