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2010 年度 実績報告書

ウエルナーヘリカーゼのもつ抗老化・抗がん化作用の解析;テロメア安定化の観点から

研究課題

研究課題/領域番号 20590389
研究機関地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)

研究代表者

石川 直  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30184485)

キーワード老化 / がん化 / ウェルナー症候群 / テロメア / FISH / 染色体組換え
研究概要

私共は、ヘリカーゼ研究会会員諸氏の協力により、ウエルナー症候群(WS)患者皮膚および骨格筋組織を収集しSouthern blot法によりテロメア長を解析してきた。H20年度からはより客観的・再現性のあるソフトウェアーTelometricを用いた解析を実施し、WS患者組織のケラチノサイトのテロメア長が、コントロールの健常者皮膚と比較しより急速に短縮することを見い出した。平成22年度には、種々の統計解析モデルを用いてWS患者組織とコントロール群との関係を、初期値・年齢・群間差異等について解析し、WS患者皮膚組織において、30歳代以降、正常人群と比べテロメア長が急速に短縮(25歳相当)することを明らかにした。また、骨格筋組織では、WS患者個体差が大きいものの、出生早期からテロメア長が有意に短縮していることが示された。これらの結果は国際雑誌(Aging,2011)に採択された。これはWS患者のin vivoでのテロメア長動態について世界初の報告であり、テロメア長短縮がWS患者における若年での肉腫発症および中年以降の癌腫発生に関与することを統計学的に示した最初の報告である。
一方、収集したWS患者由来繊維芽細胞株を継代培養し、FISH法による分子レベルでのテロメア長解析、サブテロメアプローブを用いた染色体組換え解析の結果、1)WS細胞株の最大継代数がコントロール株に比し有意に小さく、ほぼ半数の株で培養早期から強い形態異常を示し継代培養がほとんどできないこと。2)WS細胞株のテロメア長は継代早期に細胞老化期パターンとなり、異常短縮テロメアの蓄積すること。3)サブテロメア領域において約二分の一の染色体で組換えを生じ、染色体組換えが異常に亢進することが判明した。ウェルナーヘリカーゼ異常によるテロメア維持機構の破綻が本症発症の基盤の一つとなっていることが強く示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Accelerated in vivo epidermal telomere loss in Werner syndrome2011

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa N, (筆頭著者)
    • 雑誌名

      Aging

      巻: 3 ページ: 417-429

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Alcoholics show reduced telomere length in the oesophagus2011

    • 著者名/発表者名
      Aida J, et al(6番目)
    • 雑誌名

      Journal of Pathology

      巻: 223 ページ: 410-416

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chromosomal instability and telomere lengths of each chromosomal arm measured by Q-FISH in human fibroblast strains prior to replicative senescence.2010

    • 著者名/発表者名
      Takubo K, et al.(4番目)
    • 雑誌名

      Mechanisms of Ageing and Development

      巻: 131 ページ: 614-624

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト下垂体のテロメア長の動態統計解析-下垂体テロメア長はよく保存され最短テロメア長は寿命と正相関する-2010

    • 著者名/発表者名
      石川直、仲村賢一、下村七生貴、相田順子、田久保海誉
    • 学会等名
      第33回日本基礎老化学会
    • 発表場所
      名古屋大学野依記念学術交流館
    • 年月日
      2010-06-18
  • [備考]

    • URL

      http://www.ttaggg-rtgp.org

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公開日: 2012-07-19  

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