研究概要 |
RETチロシンキナーゼisoform間に認める下流シグナルの差の検討と分子メカニズムの解明を行うために、昨年度は3D-GeneをプラットホームとしたDNA microarrayを行ったが、全遺伝子を解析の対象とした場合、発現量の低い遺伝子ではreal time PCRによるDNA microarrayの検証では極めて再現性が乏しいことが示された。そこでシグナル値が低い遺伝子は破棄して検討した結果real time PCRで得られる実際のRNA量間で高い相関がえら得られた。他の実験系では73%にreal time PCRで再現性が確認出来る結果を得ている。再検証の結果2倍以上の差を示す遺伝子を対象とすると261個の遺伝子がisoform間で発現が異なる遺伝子として規定した。これらをIPA解析したところ、Gene expressionに関与すると規定される遺伝子群が有意に影響を受けることが明かとなりNFkBと関連してPML, CREBBP, TFF1等の発現が亢進している一方でFOXN3, PBX1, KLF13などの転写因子の発現が低下し2つのisoformの違いに強く影響されることが示された。一方PTC1/RETの強制発現系ではGST蛋白をN末端に付加した場合では9typeのPTC1/RETで2-3倍のチロシンリン酸化の増多が観察された。これを指標にGST pull-downサンプルで明瞭な差を示す沈降物は同定できなかった。さらに51typeのチロシン1052以降の1062,1096のチロシンをフェニールアラニンに置換して見た場合も沈降物、PTC1/RETのリン酸化レベルには大きな差は認められなかった。更にスケールアップしての検討を行っている。
|