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2008 年度 実績報告書

悪性胸膜中皮腫の増殖に対するTGF-βシグナルの役割と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20590420
研究機関愛知県がんセンター研究

研究代表者

藤井 万紀子  愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学部, 主任研究員 (70406031)

キーワード悪性中皮腫 / TGF-β
研究概要

悪性胸膜中皮腫の患者の胸水中ではTGF-βの濃度が上昇することが知られており、TGF-βの悪性中皮腫細胞に対する細胞増殖促進能が示唆されている。
正常中皮細胞をトランスフォームしたMet-5Aおよび、患者由来悪性胸膜中皮腫細胞をTGF-β処理したところ、細胞内でのSmad2のリン酸化およびERK1/2の活性化を認めた。Met5AにおけるTGF-β処理後2時間でリン酸化を受けるタンパク質をPhospho-kinase profiler Array(R & D社)を用いて調べると、ERK1/2の他、p38α,MSK1/2,CREB,STAT3などのリン酸化の上昇が認められた。マイクロアレイを用いた実験によって、TGF-βによって引き起こされる遺伝子発現の変化を調べると、上昇する遺伝子群のなかに、MMP-2、Collagen Type I α、CTGF、fibronectinなどが含まれており、またIL-1の発現の低下などが認められた。TGF-βによるこれらの遺伝子の上昇、低下はそれぞれTGF-β阻害剤によって抑制される。更にTGF-β阻害剤によってMet-5Aおよび悪性胸膜中皮腫の増殖は、単層培養系、軟寒天培地培養系双方において阻害されることがわかった。
最近我々は、NF2によって機能が負に調節されるタンパク質YAP1がこのTGF-βによる悪性中皮腫の細胞増殖に関与している可能性を見出した。YAP1は、我々が樹立した細胞株でも、増幅が確認されている。悪性中皮腫細胞におけるTGF-β,Smadシグナル伝達系が、YAP1によってどのように制御されているかを検討中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] The Role of TGF-β signaling in human Malignant Mesothelioma2008

    • 著者名/発表者名
      藤井万紀子
    • 学会等名
      第67回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2008-10-28
  • [学会発表] 悪性中皮腫に対するTGF-βシグナルの影響2008

    • 著者名/発表者名
      藤井万紀子
    • 学会等名
      第81日本組織培養学会総会
    • 発表場所
      つくば
    • 年月日
      2008-05-19

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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