研究概要 |
本年度は、Cre-LoxPシステムを用いたconditional IRF4 KOを用いた解析を行った。 1.すなわち、樹状細胞(DC)のIRF4を欠失したCDllc-Cre-IRF4 KOおよびマクロファージのIRF4を欠失したLysM-Cre-IRF4 KOを用いて、リーシュマニア感染実験を行った。その結果、IRF4 KOで認められた、感染初期の防御免疫の亢進(足趾の肥厚の減弱)は、樹状細胞によることが判明した(CDllc-Cre-IRF4 KOでのみ再現された)。 2.そこで、感染後24時間、48時間における所属リンパ節の樹状細胞のサブセットを調べた。IRF4 KOでは野生型に比べ所属リンパ節に移行する樹状細胞の数が少なかったが、絶対数では野生型に比べ多い。Resident DCがT細胞の活性化には重要と考えられていることから、昨年樹立した系を用いて抗原特異的CD4T細胞の活性化能について解析したところ、IRF4 KOでは低下傾向が認められた。 3,IL12産生調節機構についてはリーシュマニア抗原側から解析を進めたが、抗原が蛋白質ではないことが判明し、候補抗原を糖鎖に切り替えた。糖鎖を除去するためTunicamycinで処理したリーシュマニアを感染させたところ、野生型においてもIRF4 KOにおいても足趾の肥厚が著しく障害された。 Tunicamycin処理リーシュマニアの生存率が未処理リーシュマニアと変わらないことも確認した。従って、糖鎖が感染に関わっているのか、感染はするが免疫担当細胞の修飾を引き起こすのか解析しているところである。
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