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2009 年度 実績報告書

マイコバクテリアによる宿主免疫の修飾:細胞壁構成糖脂質の役割

研究課題

研究課題/領域番号 20590441
研究機関大阪大学

研究代表者

森田 康裕  大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (70397769)

キーワード感染免疫 / マイコバクテリア / 細胞壁 / 糖脂質
研究概要

マイコバクテリアの細胞壁に存在する糖脂質Phosphatidylinositol Mannosides (PIM)、Lipomannan (LM)、Lipoarabinomannan (LAM)は免疫修飾に重要であると示唆されている。本研究では、これらの糖脂質の生合成酵素を欠損したマイコバクテリア変異株を利用して、これらの糖脂質の持つ免疫修飾活性に必須な構造モチーフを決定し、またこれらの糖脂質の生理的意義を明らかにすることであった。初年度にM. smegmatis由来PIM/LM/LAMの免疫賦活分子としての生理的意義に関連して予想外の興味深い知見が得られたので、本年度はこれらの免疫賦活分子の生合成に関して集中して研究を行った。具体的にはα1, 2マンノース側鎖を欠損したLM/LAMを産生するM. smegmatisのMSMEG_4247欠損株やその相補株からLMとLAMを精製してその構造をHPLCなどを用いて詳細に解析した。その結果、欠損株においてはLMの生成は極端に抑制され、LAMは側鎖を欠損していた。この欠損株に内在性プロモーターを用いてMSMEG_4247を相補すると野生株と同様な表現型が回復するのに対し、MSMEG_4247を強制発現させると、LM/LAMともに見かけ上の分子量は野生株ものとくらべて小さくなった。構造解析の結果、この小さいLM/LAMは、マンノース鎖が短いこと、LAMにおいては、さらにアラビナン鎖も著しく矮小化していることに起因していることが分かった。この異常に相補された株で、更にマンナン直鎖を伸長するMSMEG_4241遺伝子を強制発現したところ、この矮小化の効果が抑制された。これらの知見により、直鎖伸長にかかわる酵素と側鎖を合成する酵素の発現レベルのコントロールが、LM/LAMの生合成に重要であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Controlled expression of branch-forming mannosyltransferase is critical for mycobacterial lipoarabinomannan biosynthesis2010

    • 著者名/発表者名
      Chubert B.C.Sena, et. al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. (in press)

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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