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2008 年度 実績報告書

腸炎ビブリオの鉄獲得受容体蛋白質の解析と特異的増殖阻止剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20590444
研究機関岡山大学

研究代表者

中尾 浩史  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (20237217)

キーワード腸炎ビブリオ / 鉄 / シデロフォア / モノクローナル抗体
研究概要

腸炎ビブリオは、魚介類やその加工品などを介してヒトに感染するため、魚介類を生食する日本では細菌性食中毒の主要原因菌の一つである。腸炎ビブリオは、経口的に摂取された後、腸管内で増殖し、種々の病原因子を遊離することにより下痢や腹痛、発熱などの急性胃腸炎を引き起こす。本菌は増殖に鉄が必須であり、鉄獲得機構として、三価鉄の特異的キレート剤であるシデロフォアを産生して菌体外の微量の鉄を効率的に取り込む系が存在する。
本菌のシデロフォアの病原性に関する関与を明らかにするために、まず、in vivoにおいて病原性を測定する系を確立した。従来は感染モデルとして、ほ乳類が用いられてきたが、倫理面、飼育の容易さなどから、ショウジョウバエを用いた感染モデルの確立を試みた。本菌を鉄制限下で培養し、対数増殖期の菌体をショウジョウバエにマイクロインジェクタを用いて腹部に注入した。その結果、注入する菌数に応じてショウジョウバエの生存時閥が短くなった。種々検討を行い、本菌のショウジョウバエを用いた致死活性測定条件を確立した。この測定条件においてビブリフェリン生合成系酵素の一つpvsAを欠損した変異株の致死活性を測定したところ、pvsA欠損株において著しく生存時間が長くなっていることが分かった。この結果より、ショウジョウバエにおいてビブリオフェリンが病原性に強く関与していることが確認できた。
本菌のビブリオフェリン受容体に対する抗体を作成することを目的として、PvuAの大量産生株作成を試みたが、発現量が低かった。そのため、鉄制限状態の菌体から外膜タンパク質を調製し、これを抗原としてモノクローナル抗体の作成を試みている。現在、陽性クローンが数株得られており、その性質を確認しているところである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Variation of extracelluar poeases prodced by Vihrio voloificus clinical isolates. Genetic diversity of the metalloprotease gene(vvp), and seri= prtease sccretion bu vvp-negative strains.2008

    • 著者名/発表者名
      Wang, J., et al.
    • 雑誌名

      Microbial Pathogenesis 44

      ページ: 494-500

    • 査読あり
  • [学会発表] 腸炎ビブリオの産生するシデロフォア, vibrioferrinと病原性2009

    • 著者名/発表者名
      山田真人, 他
    • 学会等名
      第129回日本薬学会年会
    • 発表場所
      京都国際会館
    • 年月日
      2009-03-27

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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