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2010 年度 実績報告書

腸炎ビブリオの鉄獲得受容体蛋白質の解析と特異的増殖阻止剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20590444
研究機関岡山大学

研究代表者

中尾 浩史  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (20237217)

キーワード賜炎ビブリオ / 鉄 / シデロフォア / モノクローナル抗体
研究概要

腸炎ビブリオは、魚介類やその加工品などを介してヒトに感染するため、魚介類を生食する日本に特徴的な細菌性食中毒の主要原因菌である。腸炎ビブリオは、経口的に摂取された後、腸管内で増殖し、種々の病原因子を遊離することにより下痢や腹痛、発熱などの急性胃腸炎を引き起こす。生物にとって生存・増殖に鉄は必須であり、病原性細菌はヒト体内において病原性を発揮するために特有の鉄獲得機構を有している。腸炎ビブリオは三価鉄の特異的キレート剤であるシデロフォア(ビブリオフェリン)を産生して菌体外の微量の鉄を効率的に取り込む系が存在する。
本菌のビブリオフェリンの病原性との関連について、in vivoにおいて病原性を測定する系としてショウジョウバエおよびカイコを用いた系を確立し、ビブリオフェリン非産生株においては著しく致死活性が低下すること、および、ショウジョウバエ中においてビブリオフェリン非産生株の増殖が低下していることを昨年度までに見出している。
そこで、本年度はビブリオフィリンを介した鉄取り込み系について検討を行った。本菌はビブリオフェリンを遊離し、鉄と結合したその複合体を特異的な受容体を介して取り込み、利用する。この受容体を介した取り込み系を阻害することはビブリオの増殖阻害剤の開発につながる。そこで、鉄制限状態における腸炎ビブリオの外膜蛋白を調製し、これを抗原としてモノクローナル抗体の作成を試みた。また、ビブリオフェリン特異的受容体であるPvuAの菌体外に露出していると予想される部分のペプチドを作成し、これも抗原としてモノクローナル抗体を作成した。その結果、鉄制限下の外膜を抗原としたモノクローナル抗体4株、ペプチドを抗原とした場合、1株が得られた。現在、これらのクローンの性質について検討している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Assimilation of metal ions bound to porphyrins or phrphyrin-peptides by Vibrio vulnificus.2010

    • 著者名/発表者名
      Miyoshi, S., et al
    • 雑誌名

      Biocontrol Sci.

      巻: 15 ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト抗菌ペプチドのビブリオ属細菌に対する影響ヒト抗菌ペプチドのビブリオ属細菌に対する影響2010

    • 著者名/発表者名
      池原寛人, 前原陽子, 中尾浩史, 三好伸一
    • 学会等名
      第63回日本細菌学会中国・四国支部総会
    • 発表場所
      愛媛・松山
    • 年月日
      20101016-17
  • [学会発表] 腸炎ビブリオのvibrioferrinを介する鉄獲得系と病原性2010

    • 著者名/発表者名
      山科竜一、山田真人、田邊知孝、高橋栄造、山本重雄、岡本敬の介、三好伸一、中尾浩史
    • 学会等名
      第63回日本細菌学会中国・四国支部総会
    • 発表場所
      愛媛・松山
    • 年月日
      20101016-17
  • [学会発表] Vibrio mimicusヘモリジンの成熟化に関与する菌体外プロテアーゼ2010

    • 著者名/発表者名
      水野環、前原陽子、中尾浩史、三好伸一
    • 学会等名
      第57回毒素シンポジウム
    • 発表場所
      愛知・長浜
    • 年月日
      20100714-15

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公開日: 2012-07-19  

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