カンピロバクター腸炎後ギラン・バレー症候群(GBS)の発症機序に関して研究を行った。その結果、少なくとも一部のカンピロバクター菌株では、GM1様LOSとGD1a様LOSの両方を有し、両者が菌体上で複合体を形成することでGM1b様の構造が新たに作りだされ、その結果、抗GM1bが患者血中に産生され、これが末梢神経上に発現するGM1bと結合することでGBSを発症していることが示唆された。つまり、「ひとつのオリゴ糖では相同性を示さず、複数のオリゴ糖がクラスターを形成することで新しい構造を作り出され、分子相同性を示しうる」という、新たなパラダイムの傍証を得ることができた。
|