研究課題/領域番号 |
20590448
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
宮田 茂 香川大学, 医学部, 講師 (90314913)
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研究分担者 |
成谷 宏文 香川大学, 医学部, 助教 (30452668)
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キーワード | ウェルシュ菌 / イプシロン毒素 / bent DNA / プロモーター / フェレドキシン / 糖鎖分解酵素 / クロストリパイン / AT-rich遺伝子 |
研究概要 |
連続したアデニン塩基が周期的に存在(phased A-tracts)すると、折れ曲がりDNA(bent DNA)を形成する。昨年度までに、3種類のbending promoter(α毒素、フェレドキシン、ε毒素)の転写における温度依存性調べ、α毒素は25℃で、ε毒素は37℃で、フェレドキシンは温度に関係なく高い転写活性を示すことを明らかにした。また、広い温度範囲にわたり高い転写活性をもつフェレドキシン・プロモーターを利用して、大腸菌では発現・精製が困難なclostripain-like protease(Clp)及び糖鎖分解酵素群(NagH、NagJ、NanJ、BgaA)のウェルシュ菌による発現系を構築し、それら酵素の性質をしらべた。 ホストであるウェルシュ菌は、同様な性質を示すClpを発現するとともに、α毒素含む各種菌体外毒素を分泌する。今年度は、これらの菌体外タンパク質を含む6種類のタンパク質遺伝子を欠失させたホスト(virulence-attenuated strain)を作製してホストとして用いることにより、C.histolyticumのclostripainを発現・精製に成功した。 また、ε毒素プロモーターの転写解析のため、細胞内シアリダーゼであるNanHをレポーターとする新規レポーター・システムを構築した。このレポーター・システムを用いて、3'側から順次欠失させたε毒素プロモーター活性を調べたところ、翻訳領域であるシグナル配列をコードしている部分に存在するphased A-tractsを欠失させるとレポーター活性が大幅に減弱することを明らかにした。このことから、ε毒プロモーターの転写は、プロモーター直下のphased A-tractsよりもむしろさらに下流のphased A-tractsにより増強されていることが示唆された。
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