研究概要 |
本研究は、ヒトCD1b/β2ミクロブリン(β2M)遺伝子のトランスジェニックマウスの作製とモルモットサイトカインに対する単クローン抗体を作製し、ヒトCD1b/β2Mトランスジェニックマウスおよびモルモットを用いて結核菌糖脂質の抗原提示機構、サイトカイン応答および肺肉芽腫形成機構の解明を目的としている。 モルモットの皮下にBCGを接種し、7日、14日、21日後のモルモットから採取した脾細胞を、脂質抗原としてM.tuberculosis H37Rv由来trehalose 6, 6'-dimicolate (TDM)、タンパク抗原として精製ツベルクリン(PPD)でそれぞれ刺激し、T細胞の増殖応答およびサイトカイン産生を調べた。T細胞の増殖応答を[3^H]-thymidineによる取り込みで測定したところ、TDMおよびPPD刺激共に増殖応答が認められたが、TDM刺激をした方が反応は弱かった。サイトカインmRNAをRT-PCRにより調べた結果、TDMおよびPPD刺激共にIFN-γ mRNAの発現が認められた。培養上清中のサイトカイン量を今回確立したサンドイッチELISAで測定した結果、PPD刺激した細胞では、IFN-γ産生が認められたが、TDM刺激の場合では検出できなかった。 約10系統のヒトCD1b/β2Mトランスジェニックマウスが誕生し、現在発現の確認を行っている。
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