研究概要 |
本研究は、モルモットサイトカインに対する単クローン抗体を作製し、モルモットを用いて結核菌糖脂質の抗原提示機構、サイトカイン応答および肺肉芽腫形成機構の解明を目的としている。 モルモットの皮下にBCGを接種し、経時的に血清および脾細胞採取し、結核菌脂質抗原特異的抗体の測定と結核菌特異的T細胞応答について調べた。脂質抗原としてM. tuberculosis H37Rv由来trehalose 6,6'-dimicolate(TDM)、trehalose 6-monomicolate(TMM)、phosphatidylinositol mannoside(PIM)およびタンパク抗原として精製ツベルクリン(PPD)を用いた。BCG接種後2週目から8週目までの血清中には、PIMおよびPPDに対するIgGが検出されたが、TDMおよびTMM特異的抗体は検出されなかった。脂質抗原特異的T細胞の増殖応答を[^3H]-thymidineによる取り込みで測定したところ、TDM、PIMおよびPPD刺激に増殖応答が認められたが、TDM刺激に対する反応は弱かった。サイトカインmRNAをRT-PCRにより調べた結果、TDMおよびPPD刺激共にIFN-γmRNAの発現が認められた。培養上清中のサイトカイン量を今回確立したサンドイッチELISAで測定した結果、PPD刺激した細胞では、IFN-γ産生が認められたが、TDMおよびPIM刺激の場合では検出されなかった。
|