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2008 年度 実績報告書

サルモネラ菌の細胞内増殖および全身感染成立に関わる病原因子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20590460
研究機関名城大学

研究代表者

打矢 恵一  名城大学, 薬学部, 助教 (70168714)

キーワードサルモネラ菌 / SPI-2 / spiC遺伝子 / 鞭毛 / FlhD
研究概要

Salmonella enterica serovar Typhimuriumの染色体上に存在するSalmonella Pathogenicity Island 2の領域内に同定した新規の病原性遺伝子,spiCはマクロファージ(Mφ)の殺菌能に対する抵抗性やマウスに対する全身感染の成立に関与しているが,その機能は明らかでない.そこで,SpiCの機能を明らかにする目的でサルモネラ感染によりMφ内で変化する宿主因子の網羅的な解析をcDNAアレイ等の方法により行った結果,SpiCがシクロオキシゲナーゼ2, IL-10,サイトカイン抑制因子3 (SOCS-3)などの遺伝子発現の増強に関与し,さらに培養上清を用いたプロテオーム解析の結果,SpiCの鞭毛蛋白発現への関与が明らかとなった.そこで,鞭毛形成におけるSpiC関与のメカニズムとその意義を平成20年度の研究実施計画に基づいて研究を行った結果,以下の新たな知見を得た.1.SpiCのfliC遺伝子発現への関与をTaqManプローブを用いた定量RT-PCRやβ-ガラクトシダーゼを指標としたレポーターアッセイによるプロモーター活性を調べた結果,SpiCは転写レベルでfliCの発現に関与していた.2.fliC同様,クラス3に属するfliDやmotA遺伝子の発現を定量RT-PCRにより調べた結果,spiC変異株でその低下が見られた.3.鞭毛遺伝子の発現を正に調節しているマスター・レギュレーターであるflhD/flhC遺伝子への関与を定量RT-PCRおよびレポーターアッセイにより調べた結果,その影響は見られなかった.4.抗FlhDペプチド抗体を作製して,ウエスタンブロット解析によりその発現を調べた結果,spiC変異株においてその発現の低下が見られた.この結果から,SpiCはFlhDの発現に翻訳の段階で関与していることがわかった.5.fliC変異株を感染させたMφにおいて,SOCS-3発現の低下が見られたことから,spiC依存的なSOCS-3発現にFliCの関与が示された.さらに,その発現はp38およびERKシグナル伝達経路の活性化が関与していた.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Salmonella virulence factor SpiC is involved in expression of flagellin protein and mediates activation of the signal transduction pathways in macrophages2008

    • 著者名/発表者名
      Kei-ichi Uchiya
    • 雑誌名

      Microbiology 154

      ページ: 3491-3502

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Biological properties and primary structure of elastase inhibitor AFUEI from Aspergillus fumigatus2008

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki Okumura
    • 雑誌名

      J. Med. Microbiol. 57

      ページ: 803-808

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト、ブタ由来Mycobacterium aviumのMIRU-VNTR型別解析による比較2009

    • 著者名/発表者名
      高橋弘泰、稲垣孝行、市川和哉、日比谷健司、中川拓、打矢惠一、二改俊章、小川賢二
    • 学会等名
      日本薬学会第129年会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-03-27
  • [学会発表] Salmonella pathogenicity island 2のFlhDC発現への関与とその意義2009

    • 著者名/発表者名
      杉田 亜沙美
    • 学会等名
      第82回 日本細菌学会総会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2009-03-12
  • [学会発表] A. fumigatusの産生するエラスターゼインヒビターの精製, 性質, 構造及び治療効果について2009

    • 著者名/発表者名
      松井 健
    • 学会等名
      第82回 日本細菌学会総会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2009-03-12
  • [学会発表] Salmonella pathogenicity island 2のFlhD発現への関与2008

    • 著者名/発表者名
      杉田 亜沙美
    • 学会等名
      第45回 日本細菌学会中部支部総会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2008-10-18
  • [学会発表] Aspergillus fumigatusの産生するエラスターゼインヒビターの精製, 性質及び構造決定について2008

    • 著者名/発表者名
      松井 健
    • 学会等名
      第45回 日本細菌学会中部支部総会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2008-10-18
  • [学会発表] Salmonella virulence factor SpiC is involved in flagellum synthesis and mediates activation of the signal transduction pathways in macrophages2008

    • 著者名/発表者名
      Asami Sugita
    • 学会等名
      International symposium on brain development and neuropsychiatric disorders
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2008-09-24
  • [図書] 薬剤耐性のメカニズム2008

    • 著者名/発表者名
      打矢 恵一
    • 総ページ数
      32-38
    • 出版者
      南山堂

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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