研究概要 |
1.V蛋白はL蛋白と結合し、ウイルスゲノムの転写複製を抑制している事が明らかになった。V蛋白は宿主細胞の抗ウイルス活性に抵抗する機能、ウイルスの増殖を促進する機能も同時に担っており、ウイルス増殖が最適な状態になるようにバランスをとっていると考えられる。またL蛋白上の他のウイルス蛋白との結合は全てN末側にある事を同定し、さらにL蛋白の機能に重要な新たな領域も同定した。 2. Yeast Two-hybrid法によってV蛋白と結合する宿主蛋白を網羅的に検索するため必要なベクターを構築し、スクリーニングを行った。スクリーニングにより得られたコロニーを大きいものから陽性コロニーとして平板培地に取得した(約2000個)。 3. 陽性コロニーの酵母よりDNAを回収し、プラスミドを得た。細菌選択マーカーの違いを利用しライブラリー蛋白の入ったプラスミドのみを大腸菌で増やし、そこからプラスミドを精製し、シークエンスを行った(約1000個)。 4. 得られた遺伝子をヒトゲノムのBLASTを使ってアライメントし、蛋白を同定した(約100個)。同定したものの中に既にV蛋白と結合する事が明らかになっているSTAT1,Mda-5が含まれていたので、今回行ったスクリーニングには信憑性があると考えて良い。 5. 同定した蛋白のうち、V蛋白に機能に関連があるのではないかと考えられるものを幾つか選び、動物細胞内での蛋白の相互作用等について検討に入るためのベクターの構築を行った。
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