研究課題/領域番号 |
20590476
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
藤井 暢弘 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90133719)
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研究分担者 |
横田 伸一 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10325863)
岡林 環樹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10359995)
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キーワード | ウイルス / TLR / シグナル伝達 / 増殖制御 / 再活性化 / 熱ショック蛋白 / 免疫複合体 / 持続感染 |
研究概要 |
TLR情報伝達系への刺激による細胞活性化がウイルスの増殖に如何なる影響を与えるかについて検討してきた。これまでは、単球系培養細胞であるU937,THP-1細胞と、そのウイルス持続感染細胞(麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、単純ヘルペスウイルス1型)について検討した。その結果、持続感染細胞ではTLR情報伝達系の活性化が抑制され、またウイルスの複製も促進されることは殆ど認められなかった。 今回、単純ヘルペスウイルス(HSV-1)は皮膚粘膜細胞や神経細胞での増殖性を示すことから、これらの細胞でのTLR7刺激においてHSV-1の増殖性に変化が生じるかどうかを検討した。FL細胞をTLR7のアゴニスト(リガンド)であるイミキモドで刺激をした。この刺激によってはIFN-α、IFN-β、IFN-λの誘導は認められず、また抗ウイルス因子やサイトカインの誘導も生じなかった。しかし、転写因子AP-1の活性化は認められた。イミキモド処理FL細胞へHSV-1を感染させた場合、HSV-1の増殖は著しく抑制された。イミキモドのTLR7刺激によって、シスタチンAとシスタチンCの誘導が認められた。シスタチンCに加えて、シスタチンAによるHSV-1の増殖抑制機能が判明した。
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