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2010 年度 実績報告書

インフルエンザウイルスの運動・情報処理機構

研究課題

研究課題/領域番号 20590479
研究機関川崎医科大学

研究代表者

堺 立也  川崎医科大学, 医学部, 助教 (00309543)

キーワードウイルス / 感染症 / 感染行動
研究概要

平成22年度は,インフルエンザウイルスの感染行動パターンを決める要因を明らかにするため,三種類のヒトを宿主とするインフルエンザウイルスと三種類のミズトリを宿主とするインフルエンザウイルスの行動(運動)の解析と各ウイルスの運動パターンを生む分子基盤であるヘマグルチニンとノイラミニダーゼの機能解析を行った.ヒトインフルエンザウイルスについてはH1N1とH3N2亜型ウイルスを,トリウイルスについてはH1N1, H3N2, H5N3亜型ウイルスについて解析を行った.行動解析の結果,いずれの亜型でもヒトウイルスは人工細胞表面において跳躍的な運動パターンを示した.一方,全ての亜型においてトリウイルスは漸進的な運動パターンを示した.次に,運動パターンを生み出す分子基盤であるヘマグルチニンとノイラミニダーゼの機能に関しては,ヒトウイルスのヘマグルチニンは,トリウイルスのヘマグルチニンに比べシアロ糖鎖との結合力が,1/3~1/4に低下していた.ノイラミニダーゼのシアロ糖鎖分解活性については,ヒトとトリウイルスで大きな差は見られず,ヒトウイルスのノイラミニダーゼの活性は,トリウイルスのノイラミニダーゼに比べ3/4程度低かった.さらに遺伝子解析により,ヒトウイルスのヘマグルチニンでは,シアロ糖鎖結合部位付近のアミノ酸に変異が見られ,これがシアロ糖鎖結合力の低下の原因となっていた.以上のことは,ヒト細胞へ効率的に感染することができるようになる(ヒトへの感染性を獲得した)ウイルスとは,ヘマグルチニンのシアロ糖鎖結合部位の周辺が変異することでシアロ糖鎖との結合が低下し,それにより跳躍的運動能を獲得したウイルスであると考えられる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Infectious behavior of novel influenza A virus2010

    • 著者名/発表者名
      堺立也
    • 学会等名
      日本生物物理学会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2010-09-20
  • [備考]

    • URL

      http://www.kawasaki-m.ac.jp/microbiology/Sakai/Home.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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