研究課題/領域番号 |
20590486
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
坂本 明美 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (90359597)
|
研究分担者 |
徳久 剛史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20134364)
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20208523)
有馬 雅史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00202763)
藤村 理紗 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助教 (30376363)
|
キーワード | 免疫学 / 記憶T細胞 / 遺伝子 / 発現制御 / サイトカイン |
研究概要 |
本研究は、抗原特異的メモリーCD8T細胞の二次応答を有意に増強する転写因子Bcl6の標的遺伝子を明らかにすることに焦点を絞った。 1.記憶CD8T細胞の分化および機能に関与するBcl6の標的遺伝子と分子機構の確定 二次応答の高いメモリーCD8T細胞の分化にBcl6が重要であり、Bcl6はKLRG1陰性のメモリー前駆細胞の分化を正に制御していることを明らかにした。Bcl6はKLRG1遺伝子の発現を負に制御しており、CD8T細胞の分化を制御する分子機構の一つと考えられた。 2.メモリーCD8T細胞の分化プログラミングにおけるBcl6標的遺伝子の役割の解明 抗原刺激初期のIL-2の刺激が、メモリー前駆細胞とエフェクター細胞との分化の振り分けに関与する。Bcl6はメモリー前駆細胞に発現するため、このプログラミングにおける分子機構を解析した。その結果、Bcl6は活性化T細胞上のIL-2レセプターの発現抑制および、mTORシグナルを負に制御することでエフェクター細胞の分化を抑制していることを明らかにした。 記憶CD8T細胞はウイルス感染症や腫瘍に対する宿主応答の根幹となる細胞である。この分化を人為的に調整する方法が開発できれば感染症や腫瘍のワクチン療法の開発、有効性の改善に寄与できる。さらに記憶リンパ球の分化の普遍性を明らかにできれば、自己免疫疾患等、難治性疾患の治療、再燃防止に応用できる研究である。
|