研究課題
(研究目的)Activation-induced cytidine deaminase(AID)は抗体遺伝子のクラススイッチ(CSR)と体細胞突然変異(SHM)に必須の遺伝子である。その機序はDNA切断であることはわかっているが、AIDの標的がDNAであるか、RNAであるか、結論が得られていない。本研究ではAIDノックアウトB細胞ラインを樹立して、AID以外のcDNA(おそらくAIDにより編集されたcDNA)でCSRをレスキューできることを示し、AIDの標的がDNAではなく、RNAであることを証明し、かつAIDの標的RNAをクローニングすることを目的とする。(研究結果)現在、世界で使われているB細胞ラインのうち、もっとも効率良くCSRを誘導できるB細胞ラインはCH12であるが、ノックアウトの頻度は5000分の1程度と推定されており、実際にノックアウト細胞を樹立できなかった。そのためAIDノックアウトマウスのB細胞でスクリーニングを行った。サイトカイン刺激でCSRを誘導した野生型マウスの脾臓B細胞からmRNAを分離し、AID mRNAをサブトラクトした後、cDNA libraryを作成した。library由来のcDNAによりCSRをレスキューされたAIDノックアウトB細胞を分離し、導入された遺伝子の検索を行っている。このスクリーニングで得られた候補遺伝子がCSRに必須の遺伝子であるかどうか、またAIDのターゲットmRNAであるかどうか、の確認実験が課題として残ったが、現在進行中である。
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http://www.nagahama-i-bio.ac.jp/news/news/2011/01/post_107.html