研究課題/領域番号 |
20590495
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研究機関 | 明治国際医療大学 |
研究代表者 |
糸井 マナミ 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 准教授 (00257833)
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研究分担者 |
雨貝 孝 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (80094407)
塚本 紀之 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 講師 (80319524)
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キーワード | 免疫学 / 発生・分化 / 細胞・組織 / 再生医療 / Foxn1 |
研究概要 |
本研究は、成獣マウス胸腺においてFoxn1転写調節因子の発現を指標として胸腺上皮幹細胞もしくは前駆細胞を同定し、さらにそれらの幹細胞や前駆細胞の維持および分化を支えるニッチの特徴を明らかにすることを目的としている。 平成21年度は、フローサイトメトリーによる生後マウス胸腺上皮細胞の解析を行い、Foxn1陽性でKi67陽性の増殖している上皮細胞は、皮質または髄質上皮細胞マーカー分子を発現していることが示された。このことより、生後マウス胸腺では皮質および髄質上皮前駆細胞が存在することが示唆された。また、Foxn1の発現量の異なる胸腺上皮細胞分画における遺伝子発現解析を行い、Foxn1強陽性細胞群と弱陽性群間で機能分子の発現に違いがあることが分かった。このことより、Foxn1の発現量が機能の異なる胸腺上皮細胞群を弁別する指標となることが示唆された。また、BrdU標識法による増殖細胞の組織学的解析を行い、BrdU取込3週間後でも少数のFoxn1陽性BrdU陽性細胞が検出されたことから、Foxn1陽性細胞の中に細胞分裂速度の極めて遅いものが存在することが明らかとなった。これらの細胞は胸腺上皮幹細胞であると考えられ、さらに、それらは主に髄質領域に分布することが明らかとなった。今後、これらの細胞の分布領域を胸腺上皮幹細胞ニッチの候補とし、構成細胞の特異性や分化・増殖因子等の発現を検討することにより場の特徴付けを行う予定である。
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